※人によっては不快感を覚えるかもしれません。御注意を。
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友人に、メノフィリアの奴が居る。
メノフィリアーーーーー月経性愛。
文字通り、女性が月経中に出す血に興奮する性癖のことだ。
彼の名前は・・・此所では仮に、田中、としておこう。彼は、自分の友人達の中でもトップを争う変態である。
変態ではあるが、悪人ではない。良い奴だ。
「あれだよな。もし生まれ変わるとしたら、女に生まれて、自分の生理の様子をじっくりと眺めたい。女子トイレとかで使用済みナ○キンを漁りたい。回収して埋もれたい。」
等と抜かすような奴だが、断言出来る。良い奴である。
どうか気持ち悪がらないでやって欲しい。
本当に実行はしない。ちょっと言ってみただけだと思う・・・多分。
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そんな彼が、酷く興奮した面持ちで自分の元に来たのは、一学期の終わり頃だった。
「なぁ、ダラダラ子って知ってるか?!」
開口一番にそう言って、じっと此方を見詰めて来る。
「・・・ダラダラ子?」
「そう。ダラダラ子。」
聞いたことの無い名前だ。・・・というか、此れは名前なのか?
名前だとするならば、まさか実在の人の本名ではあるまい。自分の子供にそんな突飛な名前を付ける親が居るものか。
だったら・・・・・・
「芸能人かアニメ。・・・違うか?」
「違うな。」
違った。
「じゃあ何なんだよ。」
質問をすると、田中は口を尖らせ「どうして知らないのか」とでも言いたげな表情でこう言った。
「幽霊だよ!幽霊!!」
「・・・・・・・・・はぁ?!」
メノフィリアと幽霊。何がどうしてこうなった。
大きく溜め息を吐いたが、其の音は蝉の声に掻き消され、自身の耳にさえ届かなかった。
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田中の話を聞いてみると《ダラダラ子》というのは、最近、近所の小学生に騒がれている幽霊なのだそうだ。
「生理中で、足の間からダラダラと血を流してるから、ダラダラ子っつーんだと。」
成る程。田中が興奮する訳である。然し・・・
「其れ、幽霊じゃなくて只の痴女じゃないか?」
抑、幽霊が排泄物を出すのだろうか。
疑問を込めた目で田中を見ると、奴は右手を握り締め、高く掲げた。
「幽霊だよ!それに、幽霊じゃなくても、何かこう・・・ぐっと来る物が有るだろ!!な?!」
「いや、来ねぇよ。」
一瞬田中は、心底驚いたとでも言いたげな顔をした。
そして言った。
「小学生だぜ?!」
「いやいやいやいや。俺は別にロリコンじゃ無いから。単にストライクゾーンが広いだけだから。」
「小学生で、生理中だぜ?!生理中の小学生が足の間からダラダラ血を流してるんだぜ?!」
「止めなさい大声でもう・・・。」
友達を止めたくなってしまうじゃないか。
「大体、お前の話が本当なら、相手は幽霊だろ。性的興奮を持ってどうするんだよ。あと小学生相手は犯罪です。どう考えてもアウトです。捕まりたいのかおま・・・」
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「ダラダラさん、ね。知ってるよ。○○公園だよね。確か。」
いきなり話に水を差された。
声の方を見ると、隣のクラスの奴が立っていた。
名前は確か・・・
「三島だよ。三つの島で三島。」
ああ、そうだった。確かそんな名前だった。
納得して頷いていると、三島は田中の方を見やり、尋ねる。
「見に行くの?」
「おお!こいつと一緒にな!!」
おい、誰が行くと言った。止めろ。他人を巻き込むの止めろ。
「俺は行かな・・・」
「いいな。俺も付いて行っていい?」
抗議をしようとすると、またしても三島に邪魔をされた。
田中が目を輝かせて答える。
「おお!じゃ、今日の帰りな。大丈夫か?」
「今日の帰りね。分かった。準備したら此方来るから、待ってて。」
どんどん話が進んで行っている。
もういいや。俺はパスしよう。
「なぁ、田中。俺は・・・」
「あ、そうそう。」
・・・またか。つくづく言葉が被る奴だ。
俺が軽く三島を見ると、奴はニコリと笑って、こう言った。
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「確かに俺達が小学生を相手にしたら犯罪だけど、此の国法律は《生きている人間》にしか適用されないから、幽霊相手なら別に違法じゃないんだよ。木下真白・・・君。」
俺は同行を決意した。
こいつらを野放しにしたら、ダラダラ子とやらの貞操が危ない。
というか、どうしてこいつは俺の名前を知っているのだろうか。
「・・・・・・来るよね?」
「・・・ああ。」
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此れが、俺と史上最悪のペド野郎・・・三島拓海との出逢いである。
作者紺野-2
自分で書いてて気持ち悪くなりました。
名前は全部偽名です。
あまりに驚いたので書いてしまいました。ごめんなさい。