短編1
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彼女を助けたくて

ここから落ちたら、すごく痛いよね

えっ?

冗談、冗談

今のは忘れて

そう笑って言ったけど、

夕暮れに照らされた彼女の横顔は、どこか悲しそうだった。

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その夜、彼女はいなくなった。

なんてことはなくて、次の日もどこか寂しげな彼女は学校に来た。

いつものように友達と挨拶を交わす。

教室にいる間は悲しみを隠しているようだ。

だけど、また悲しくてたまらなくなったのだろう。

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階段を駆け上がる。

屋上のフェンスをぎゅっと掴んでいる。

ごめんね、助けられなかった

彼女は泣いていた。

ごめん…

助けられなくて…

気付くと、僕も泣いていた。

僕のせいで、彼女は泣いている。

僕は、死んでからも彼女を苦しめてる。

つらくなって、思わず嗚咽が漏れた。

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僕はどうにかして彼女に伝えたかった。

いや、伝えなくてはいけない。

君は僕を助けてくれたよ

だから、僕は生きてるんだ

死んだのは…君なんだ

助けられなくて…本当にごめん

もうゆっくり休んでいいんだよ

傷だらけの彼女に向かって、

僕は泣きながら、そう言った。

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