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短編2
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残留思念

短い話ですが。

俺はバイクを転がすのが趣味で、良くツーリングとかに行くのだが、もう一つ、趣味がある

廃墟めぐりだ。

3年も前の事。

友達と横須賀にある、有名な廃村にバイクで行った。

その廃村ってのが、都市開発の為に、住人は立ち退きをしたのだが、

取り壊し寸前で、中止になったらしい。

まぁ、中には立ち退きを拒否した人も居るので

20メートル離れた所に、普通に暮らしてる人もいるから、

心霊スポットとか、ヤクザが居るとか

そんな噂もない、ただの半廃村で

只々、ノスタルジックに酔いたくて、その廃村を探索したんだ。

語り出すと止まらないので、要点だけ。

あらかた、廃墟を回った後、いよいよ最後の一軒

問題はこの一軒家で起きた。

「ここで、最後だな」

友「最後は二階建てか、階段が腐ってるかも知れないから慎重にな」

「そん時は、道ずれだな」

友「ざけんな(笑)」

そんな、馬鹿な事を言いながら、勝手口から進入して。

一階を見て周り、二階の部屋を探索してる時

友達が不意に呟いた。

友「うっわ……やべぇ」

「どした? 死体でもあった?」

友「あったら泣くわ(笑) これ見ろよ」

「写真じゃん、ここの元住人のだな」

友「なんか、物悲しいよなぁ〜」

「確かに……

sound:14

…………あれ?」

足音……だったかも知れない

木を叩く様な音が下の階から聴こえた。

友「下からだよな? 」

「どうするよ? 管理人とかだったらやべぇぞ」

友「ちょっと、様子を見るべ……いざって時は窓から逃げるぞ」

「ああ……」

二人とも、黙り込んで耳をすませたら

やはり、聴こえる。

確信した。 足音だ、人間の。

一階を徘徊してる様に聴こえる。

廃墟に響く、その音は、あまりにも不気味だったよ

……やがて、その足音は階段を登り始めた。

sound:14

「やべぇ! 逃げるぞ!」

sound:14

窓から飛び出そうと、慌てて窓に手をかけた。

……今でも後悔してる。

窓枠に足をかけ体を半分、外に出した時、

向かいの廃墟に人が居た。

そいつらが、窓からこっちを見てるんだ。

なんて言うのか……雰囲気が普通じゃない。

汚れたフィルターを通して見た様な

不気味な男と女、それに子供がジーっと……俺を見てた。

「うおぉ!! おい! ヤバいヤバいぞ!!」

そう叫んで、振り返ったら

友達が居ない。

「おい!! どこ行っ……」

絶句したよ、本当に。

今まで居た部屋が変わってたんだ。

いや……同じ部屋だが

メチャクチャだった、部屋が綺麗になってる。

ただ、全体的に黄ばんだ雰囲気なんだ。

何というか、古いビデオテープを再生した様な

古惚けた、視界。

もう、パニックだったよ。

情けない話だが、俺は半ベソかきながら、何度も友達の名を叫んだ。

何度目か叫んだ時、返事があった。

雑音にも似た、何人もの声が同時に。

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sound:33

「「「おが…え……りいィィいィ〜〜〜」」」

Concrete
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