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皆さんに相談があります。
私はいじめられています。
それは、本当に地獄のような日々です。
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朝、学校に行ったら、上履きがないんです。
私はそれを探し回るんですけど、どこにもなくて…
それから教室に行けば、机の上には花瓶が置かれているんです。
それも毎日。
嫌がらせにもほどがあります。
それに、私がいるのにまるでいないように振る舞うんです。
私が何を言っても無視ですよ。
本当にこの世界からいなくなっちゃったんじゃないか、ってたまに思ってしまうくらいです。
それは何日も何十日も続いています。
私は死んだ人間のように扱われ続けています。
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それは家に帰っても同じです。
お母さんとは、このところほとんど顔を合わせていません。
お父さんと離婚してから、お母さんは夜遅くまで仕事をしているので仕方のないことです。
それと、弟も私のことを完全に無視しています。
もしかしたら反抗期なのかもしれません。
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私は今日も誰とも話さずに1日を終えました。
昨日もそうでした。
一昨日も、その前も、そのもっと前もずっと。
たぶん明日も誰とも話さず、誰とも接せず、死んでいる人間のように過ごすのです。
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それで私は、思いました。
もしかしたら、私は本当に死んでいるのかもしれないって。
だって、誰も私のことを見ようともしないんですよ。
私はいないんですかね。
私は本当は幽霊で、だけど死んだことに気付かないでいるから、成仏できずにこの世に漂っているんですかね。
それで、確かめてみることにしました。
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もちろん確かめるため、だけじゃないですよ。
心のどこかで、もういいかなって思っているんです。
だって、こんな毎日は苦しいですから。
だから、もういいかなって。
終わらせたいなって。
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それで、私はその夜首を吊りました。
ほんの少しの間、息ができず、苦しくて苦しくてバタバタしていました。
だけど、ほんの一瞬の暗闇の後には、そんな苦しみは消えていました。
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その代わりに、またあの日の朝になっていました。
朝、学校に行くと、上履きはなくて、机の上には花瓶があって、クラスメートからは無視されました。
家では、仕事でお母さんはおらず、弟には無視されました。
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それで、私は思い出しました。
私は、学校では嫌がらせと無視をされ、家でも家族はバラバラで、そんな毎日がつらくて耐えられなくて、あの日自殺をしたんです。
そして、もうずっとずっと何年も、いやおそらく何十年も私は“あの日”を繰り返しています。
だけど、何日も繰り返すうちに自分が死んだことを忘れてしまうんです。
そのうち、昨日みたいにもう死んでいるのに自殺するんです。
そうやって、ずっと“あの日”は終わらないんです。
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私はもうこんな毎日は耐えられません。
こんな毎日を早く終わらせたいです。
そう思い、私は色々と考えました。
できる限り調べました。
それで、分かったんです。
“代わり”を作れば、終わらせることができるって。
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そこで、皆さんに相談です。
私の代わりに“最期の日”を繰り返してもらえませんか?
この文章を最後まで読んで下さった優しい皆さんは、きっとすごく良い“代わり”になれますよ。
あなたが怖いというなら、私が死ぬお手伝いをしますね。
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安心してください。
大丈夫です。
一瞬で終わりますから。
今からそっちにいきますね。
待っていて下さい。
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今、あなたの後ろに着きました。
作者x hiroko
読んでいただきありがとうございます。
#gp2015