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短編2
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自殺の意味

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これは檀家のお坊さんから聞いた話。

まぁ、軽い気持ちで聞いてくれ。

親戚の三回忌の時に、テレビから

今の若い子達。まぁ、ゆとり世代というのか

その社会での、やる気の無さなどの

ニュースが流れていた。

するとな、思いついた様に

お坊さんに俺に

「自殺すると、人はどうなると思う」

って問いかけてきた。一問一答である。

他の親戚も数名いたし、無言はダサイし

なんか意図があって、俺を指名したんだ。

そう言いきかせた、俺は生唾を飲んで

「看取って貰えない以上、死んだ事を

分からない。死ぬ前に、本気で願った

自殺行為を繰り返す」

って答えたんだ。

さすが、オカルト好き!って自分を

讃えたくなるくらい、完璧だと思った

この解答だが、展開は反していた

お坊さんは急に笑いながら

「キリストでは、お手本の答えだな。

ただ、ここはキリストでは、

ないのではないかな?」

それはいかにも、俺がそう答えると

分かっていた様な素振りでの即答だった

俺はあまりの正論と、そんな見透か

された感覚に黙ってると、

お坊さんは、急に締まった口調で

「自殺した仏さんはな、看取って貰った

仏さんと同じだよ・・・」

続けてお坊さんは一呼吸置くと

「ただ、御釈迦様や神様が

迎えにきてくれないだけだよ」

「それがどういう事は分かるかな、OO君?」

俺は、これから出る六道も、輪廻も知っていた

死んだ後、神様が楽器弾いて、迎えにくる話も。

ただ、お坊さんの威圧、静まり返った部屋は

通夜以上に感じ、「い え」というしかなかった。

いや、それが最善だと今でも思う。

「それは、六道の全てに該しなくなるという

こと、つまり親から頂いた命だけでなく、

天から頂いた命まで、無駄にするということです」

部屋はさらに、静まり返った。すでにもう部屋に

一人残された子供。そんな感覚である。

ここにいる誰しもが、そうあったであろう。

この間、誰一人動いていないのだから・・・。

俺が少し、下唇を噛みながら

「勉強になりました」と言うと、

急に顔を優しくしながら

「この事に気付くのに、私は30年かかりました。

では、この辺で私は・・・」

この先の言葉はお帰りという事もあり、

親戚がお坊さんに挨拶に入ってきたので、

途切れてしまった。

礼儀もあるし帰り際に、俺が

「有難うございました」

と言うと、お坊さんは一言

「花は枯れゆくから素晴らしい」

確かに、散り桜を見たい気分と思いました。

~拝読有難うございます、問題です~

当時、すぐ気付けなかったこのお坊さんが

伝えたかった意味、隠された本当の自殺の

恐怖、貴方には分かりますか?

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