短編2
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真夜中のプール

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これは父親から聞いた話です。

ありきたりな話ですが、どうぞお読みになってください。

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当時小学生だった父は、夏休みのお盆、

夜中の0時に5人の友人と学校へ侵入したそうです。

あまり警備が厳しくなかったため、容易に入ることができました。

とはいえ、もし誰かがいたら洒落にならないので

息をひそめながら、ゆっくりと、静かに夜の学校を探検しました。

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すると、友人の1人が

「プールで泳ごうぜ」

と言い出したのです。

夜に泳ぐなんてこと滅多にないですから、服装なんか気にすることもなく

はしゃぎながらプールへ向かったそうです。

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プールに着いた父達は躊躇なく飛び込んでいきました。

いつもは授業で自由に使えないプールも、6人だけなら広々と使えます。

しばらく遊んでいると

「クロールで競争しよう!」

という話になりました。

ただ、全員が入ると誰が一番速かったかわからないので

じゃんけんで負けた人がプールサイドで見ておくことになりました。

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「よーい…どん!」

5人が一斉に泳ぎはじめました。

父は運動神経が良かったため、友人達とかなり差をつけることができました。

ふと横を見ると、何と隣で自分よりも速く泳いでいる人がいるのです。

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負けず嫌いな父は、もっと、もっと、速く…と

更にスピードをあげていき、無事ゴールすることができました。

プールからあがった父はプールサイドで見ていた友人の異変に気づきました。

「どうしたん?」

と尋ねました。

すると友人は言いました。

「なぁ、俺ら6人できたよな?」

父は不思議に思いながらも頷いて

先程から気になっていた自分より速く泳いだ相手の事を聞きました。

友人は青い顔で

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「一番速く泳いどった奴が、出てこんのよ」

場が凍りつきました。

もしかすると、誰か溺れたんじゃないか。

そう考えた父は先程プールからあがった友人たちを数えました。

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1

2

3

4

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いるのです。

自分と見張りだった友人、他の4人。

全部で6人。

誰も溺れてなどいなかったのです。

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じゃあ自分の横で、一番速く泳いだ奴は誰だったんだ。

6コースあって1つ余ったコースを泳いだ奴は誰なんだ。

何で

出てこないんだ。

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怖くなった父と友人等は大急ぎで着替えて

そそくさと家に帰ったそうです…。

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お盆にはたくさんの幽霊が帰ってくる、といいます。

もしかしたら、プールに現れたその子は

久しぶりに見た同い年の子達と遊びたかったのかも知れません。

皆さんも、夜の水泳にはくれぐれもご注意ください…。

Concrete
コメント怖い
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>マルタ様
お褒めの言葉ありがとうございます。
嬉しい限りです。
私自身ぬ~○~は読んだことがないので、また機会があれば読んでみようかと思います!
コメントありがとうございました。

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