前回作、「あれ?」の主人公、私の兄の話になります。
兄が高校を無事卒業して就職し始めた時の事。
私の家は縦長の敷地に店舗兼住居があり、先に扉を隔ててトイレ、風呂の構図。
トイレの前に少し余裕が有ったので、そこにプレハブ小屋を建て兄貴の部屋にしていました。
仕事はいつも遅くに終わり、朝の9時から仕事をし、夜の1時位に帰って来るのはざらな毎日でした。
たまの休みには、「まこ!マッサージしてくれる?」と頼んで来る。
俺も用事が【遊びなんですけどね。】有るとか言って2回に1回は断ってた。
兄に捕まり、マッサージをする羽目になった時の事です。
肩や腰は普通に揉んでも「あー、気持ちいいよー!」と言ってますが、足首辺りになると「いてー!そこはいてーからマジにユックリと揉んで!」と。
揉んでる方も明らかに違うのがわかりました。
なんか、中に石が入ってるかの様な感じ。
立ち仕事を始めたばかりなので、しょうがないのかな?と思いながら揉んでいました。
ある日の事、兄が「あー、足の痛みが全然取れないな。」と呟いていました。
また、おねだりマッサージか?と思ってましたが少し様子が変なのです。
顔は青白くなり、ご飯もままならない様子。
「兄貴、大丈夫か?」と尋ねると、「なんか最近さ、ドアとか壁コンコンしてない?」と。
我が家は母子家庭で、最強の兄の睡眠を妨げる筈もなく、「そんなんしたら、ブン殴るやろ?」と言うと、「そうだよな。そんな事する筈ないよな。」
「プレハブに住んでから、何だか眠れなくなったんだよ。な?俺が静かな所でしか寝れないのはしってるよな?その静かな空間に「コンコン」て誰かノックみたいにしてやるんだよ。寝ようとするとやられ、たまに金縛りにあってな。ドアを開けて見てみると何もない…」
私が「こえー!またなんかいらんの連れてきたんじゃないの?」と言うと、
「最近は、仕事場と家の往復だけで何処も行ってないけどな…。それにしても足の疲れが取れねーんだわ。」
そんな話をして間もない頃、またも夜遅く帰って来てプレハブ小屋に入り暫くすると、急に兄が扉を開けて入って来た!
「あーもーゼンゼン寝れん!」
話を聞くと、プレハブ小屋に入りウトウトしてたら金縛りに会い、「なんか今回のはやベーな。」と思った瞬間!
「ドン!ドン!」とドアを叩く音が!
それに続き、天井からは手の平で叩くような「バン!バン!」という音がプレハブ小屋が壊れるかなと思う位「ドン!バン!ドン!バン!バン!バン!バン!」
兄は、恐怖もさる事ながそれ以上に「俺の睡眠を邪魔しやがってー!」の気持ちが大きかったのか、自力で金縛り解除!
「うるせー!!!」と一喝するとピタリと止んだといいます。
しかし、やはり恐怖も有るのでプレハブ小屋からはい出て私達の所へきたそうです。
母の知合いに、霊感のある人が居てその人にチョット見てもらおうか?と家族会議でなり頼みに行きました。
その人がプレハブ小屋を見るや否や、「ここ、建てる前地鎮祭とかした?」と聞いてきたので母が「いいえ、店舗兼住居の方は元々有った建物を少し改築した程度で ここのプレハブ小屋の敷地は何もして無いですね!」
「ここね、今もそこに居るのよ。昔の人が。それに足首から先が無いみたい…」と言うと少し黙った後、口を開いた第一声が「ここは昔、「足切り場」だったようね。
罪人が逃げれないように足枷だけでは罰が足りないので、足首から先切ってたみたい。」
兄が「なるほどね、だから足の疲れが取れないし、寝れないんだな。」
「よかったね。今ならまだ危害はなかったでしょ?そのままだったら十中八九、足首を何かで切られてたでしょうね…。」
ゾォ〜!とした一言でした…。
直ぐにお清めをして、供養しましょう!と言われ、全員で用意し、お酒、塩を言う通りの順番で蒔いて、お祈りを捧げました。
それからピタリと怪現象は起きず、兄も体調が戻ったのかご飯もモリモリ食べるようになりました。
土地には色んな人が住み、色んな想いが残っているのだなと実感した次第でした。
皆さんも首や肩など、痛くはないですか?
作者マコさん
その後は皆さんのご想像の通り、マッサージは続けてやらされていました…兄の特権て言う奴ですか。^^;