私は三兄弟の末っ子で、上のちっさい兄貴の話です。
ちっさい兄貴をk男とします。
k男兄が高校生の頃、学校が終わり家に帰って来た時のこと。
「何だか、首がサワサワするなー。」と言いながら、首をさすりながら帰って来た。
「おい、マコ!なんか付いてる?」と聞かれ、首や肩などを見ましたが何も付いて無い。
k男兄は、大の蜘蛛嫌いで「デカイ蜘蛛とか背中付いてね?」とかも聞かれた。
しかし、蜘蛛や虫の類のモノは付いておらず、「なーんも有りまっせん!」と言うと
「そうか、ありがとな!」と言いながら、また首をさすりながら部屋に入って行った。
しばらくすると、k男の彼女T美が家に来た。
笑顔が可愛らしいお姉さん。
「ねぇ、k男君いる?」と聞いてきたので
「部屋にいんじゃね?」と言うと、「サンキュー!」と言って部屋に入って行った。
「おわっ!!何ソレ?!」
と、デカイ声で彼女のT美が言った。
「どわっ!ビビったー!!!急に大声出すなよ!」とk男兄。
すかさずT美が「どっから連れてきた…ソレ…」と言う。
2人が部屋から出てきて、「マコちゃん、見える?k男の肩んとこにいる奴?」と聞かれたが、私には見えないので「全然見えんし。」と言うとk男兄が「マジになんか霊かなんかついてるのか?」とT美に聞くと「k男、今から良いと言うまで絶対後ろ見んなよ?」といつもと違う口調で言った。
T美の顔つきも何だか変わって見えて少し怖い…。
「コレ、2人でやった方が確実だからマコも手伝えよ?」と言われたので、「はい。わかりました…」と素直に承諾。顔が「侍」に見えてきた…。こえーよー。
「大丈夫!k男が後ろ見ないなら何て事は無いから。あ!絶対後ろ見んなよ!k男!!」と言われ、k男兄も怯えていた。
「よし。k男は目を閉じれ。マコは両手を前に出してk男の方に向けろ。マコ、お前が見える位まで出さないといけないから、ちゃんとみてろ。」と。もう、こえーのなんのって。
T美が自分のポケットから手鏡を出して左手でk男に向けると何やら「呪文」みたいな言葉を発して10秒位経った時、k男兄の肩付近にボヤーっとモヤみたいなのが出てきた。
「あ、なんか黒いボヤーっとしたもんが見えてきたよ…」と言うと、「ああ、もう少し見といて。」もう、逃げたいの一心でしたよ!でもそれより今逃げると取り返しのつかない事になりかねないな、と思い留まりましたが…。
段々、ボヤーっとしていた物が クッキリと姿を現わす…。顔だ……。
…この時のソレの顔は今でも忘れません。
男の人、かなり昔の人のように見えました。落ち武者?のような髪型で両耳から垂れ下がる髪の毛が、k男兄の首筋に掛かっていました。
そんな事より、落ち武者の顔が段々怒りに満ちていきます…。
「ちょっと!T美さん!コレヤバイんじゃないの?」と言うと「よし、見えたか!」
次の瞬間、T美が右手を出して九の字らしき字をk男に向けて切ると、その落ち武者の顔が段々安らかな顔に変わっていくのが見えました。
「%☆*>〆!!」と、聞いた事のない言葉をハッキリと言うと、落ち武者の顔がスゥ〜と手鏡の中に吸い込まれて行きました。
「よし!終わり!」と言うと、T美の顔が元の優しいお姉さんの顔に戻り、ふう〜と一息。
「もう目開けて良いのか?」とk男兄。
「うん!もう良いよ!ごめんね!命令口調で色んな事言って。」
もはや、ここまで来ると「アニメ」の世界と一緒でした。
T美は幼い頃から霊感があり、ある日「将軍」みたいな立派な鎧を着たお侍さんに
道端で出会ったと。
それから、危ない所へ行く前はそのお侍さんが「どうしても行くんだったら、あれとこれ持って行きなさい。」やら、横断歩道を渡ろうと青信号で進もうとすると、後ろからお侍さんが引っ張り、「なにすんの。」と言った瞬間、目の前に信号無視の車が猛スピードで行ったり。
「なんや、かんやお侍さんが助けてくれるのよ。さっきも、「あー。早めに祓おうか。」と言ってきたから言う通りにしただけだとか。
ソレをどっから連れてきたのか、当の本人はわかりませんでしたが無事、事無きを得たので よかった。
でも、みなさんもたまにないですか?首の辺りがサワサワする時が……。
作者マコさん
あー、書きながら思い出しました。あの顔…
でも、アレは成仏では無く封印っていってたからなー。どうなるんだろう。あの落ち武者は…。#gp2015