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当時16歳の私は仲の良かったSの家に
私とHとKの3人で泊まりに行くことになった。
Sの家は海の近くで、その日は1日釣りをして
釣った魚を晩ご飯にしようと計画していた。
魚は中々釣れず、夕方には飽きてしまい
思春期だった私達は釣りをやめて恋話や
ちょうどお盆だったこともあり、
怖い話を防波堤に座りながら話していた。
因みに全員男です。w
恋話もネタが尽き、Hが怖い話を話し始めた。
よくある都市伝説ですが、みんな間に受ける訳も無くSの家に帰ることになった。
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Sの家は築100年はたっていそうな古い家で、敷地内に新築の離れがある。
古い家は老朽化が進み廊下を歩くと床がきしむ音がした。奥の部屋には、日本人形や先祖の遺影などがありいつも不気味に感じていた。
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Sの家に帰ると既に食卓には沢山の料理が並べられており、まるで私達が何も釣れないのを予想してるかのようだった。
私達は食事を済ませ、疲れていたので寝る準備をする事にした。
Sの部屋は古い家にあり4人では狭く、
Sの部屋に私とH、離れの客室にSとKで2組に別れて寝る事になった。
私とHは部屋に入り、寝転がりながら話をしていると段々眠くなり口数が減っていき目を瞑ると数秒で寝付いた。同時に金縛りにあった。
この時防波堤でHが言っていた怖い話を急に思い出した。「夢の中で金髪の女が出てきたら目を合わしてはいけない」
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‥‥‥‥
夢の中
目の前にテレビの砂嵐の中に入った様な空間が広がる。
目が霞むが感覚でわかる。
物凄く広い空間。
何も聞こえない。
歩き出すと足がとても重い。
足を引きずりながら歩くと何かにつまずいた。
よく見えないが柔らかい何かに、
振り返り足元に目を凝らすと地面に伏せた状態の人だった。
その人は私に気付きゆっくりと起き上がる。
私はその光景に何故か目が離せない。
髪が長い、女か?
まずい金髪だ!私は目を背けようとしたが無理だった。女は俯いた顔をゆっくりとあげる。
目があってしまった。
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絶対まずい!目が離せない!
目があうとどうなる!?
頭の中で考えていると
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「パッ」目が覚めた
私はすぐにHを叩き起こした。
「起きろH! 怖いからSとKの部屋にいこう!」
Hが「どうしたの?」
私 「いいから早く!!」
寝起きで不機嫌なHを尻目に私は急いだ。
玄関から金髪女が家に入ってくる感覚があったからだ。
部屋から出て床をきしませながら廊下を走り、離れの家に続く裏口を開ける。
中庭に出たところで「ワンワン」とSの愛犬が吠えた。
H 「おおー!びっくりした!」
突然の犬にHが驚いた。
私はガタガタ震えながら先を急ぐ。
離れの家の裏口を開けて廊下から1番奥の部屋のガラス扉を開けると、SとKは2人でテレビゲームをしていた。
3人に今起きた出来事を説明、興奮していた私を3人はなだめるが、体の震えは止まらない。
「とりあえず逃げるぞ!」半泣きの自分に仕方なく
3人は私と一緒に逃げる事にした。
離れの玄関から飛び出し、向かった先は道路を挟んで正面の廃工場。
工場内はよく探検して遊んでいたので間取りは知っていた。
「工場の屋上へ逃げよう」私は走りながら提案。
みんなは走りながら頷く。
工場内へは、外壁に子供が入れる様な小さな穴が開いておりそこから順番に穴をくぐる形になった。
私が一番に穴をくぐると続いてSがくぐる。
すると外でKが騒ぎだした。
「早く入れろ!後ろからたくさん来てる!!」
中から外を確認すると30人位人の様な何かが追いかけて来ているのが見えた。
KとHが急いで穴をくぐると、みんな一目散に屋上へと続く梯子に向かった。
我先に梯子へ登るSそしてKその後H、私は1番最後に梯子に登る。
上から「早くしろ!!」
私は慌てながら最後の段に足をかけた時、何かに足を掴まれてしまった。
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「パッ」目が覚めた
私はすぐにHを叩き起こした。
「起きろH! 怖いからSとKの部屋にいこう!」
Hが「どうしたの?」
私 「いいから早く!!」
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????
同じ事言ってる。
言葉が勝手に出てくる感じ。
この時もまた体がガタガタ震えていた。
部屋から出て床をきしませながら廊下を走り、離れの家に続く裏口を開ける。
廊下がきしむ音まで同じ。
中庭に出たところで「ワンワン」とSの愛犬が吠えた。
H 「おおー!びっくりした!」
この時私は、これが夢なのか現実なのか解らなかったが、どちらにしても女が玄関から追いかけてくる感覚は一緒だった。
離れの家の裏口を開けて廊下から1番奥の部屋のガラス扉を開けると、SとKは2人でテレビゲームをしていた。
今私に起きている全ての状況を説明。
3人はキョトンとしていたが、それがかえってこれは現実だと気付かされた。
それでも体の震えは治まらない。
その時突然ガラス扉が揺れ始めた。
「ガタ、ガタガタ」その揺れがだんだん激しくなり
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「バンバンバン!!」ガラス扉を見ると無数の手形が広がる。
3人は凍りつき震えていた。
すると遠くの方からSを呼ぶ声と共に足音が近ずいてきた。
ガラス扉が開き鬼の形相の金髪女が立っていた。
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Sの母親だった。
「あんた達何時だと思ってんの!!」
私達は、安堵と恐怖の間の何とも表現しにくい心境だった。
その日は、離れの狭い部屋で4人抱き合って寝ました。全員男です。w
作者らんらんるー
最終的に笑ってしまう内容ですが、本当怖かったんですよ!!あの時ガラス扉を開けたのがSの母親じゃなかったらと思うと今でも怖いです。