竹の花が咲くと不吉な事が起こる。
迷信だとおもってました。しかし
私の周りで実際に起きるとは思っても居ませんでした。
私の家は旧家でしたので
山の斜面を利用して建てられていて
裏山に面して竹林が50m以上林を作ってました。
おばあさんは春になるとそこから竹の子をとり
料理してくれました。
そんなある日。
竹やぶでおじいさんが、竹を一本切りました。
ちょうちんの骨組みを作る為
切ると竹の枝を全て落として今度は割る準備です。
そうこうしてるうちにおじいさんは
家中に響く声で「いてー」と叫び縁側に駆け込んできました。
おばあさんが炊事場から見て「またおじいさんが手を切った」
と言うと傷薬と包帯と絆創膏をもって
おじいさんの所に向かいました。
私も釣られて見に行くと案の定
おじいさんは指を切り舐めてました。
おばあさんは「どうしてこんなにソソッカシイノカ」というと
すばやく、おじいさんの指に薬を塗り始めた時でした。
竹林が風に揺れて「ヒュー」と言う音を出しはじめました。
私もこの家で生まれ育ってその音を聞くのは初めてでした。
するとおばあさんは「おじいさんが無闇に竹を切るから泣いている」
と言うと竹林に向かい「ごめんなさいね」と頭を下げて拝みました。
「ばあさんの被害妄想が始まった」と言うとおじいさんは笑ってました。
しかし竹林が泣いてから3日目。
竹の枝のところどころに花が咲き出しました。
私はそれに気が着くとおじいさんに報告しました。
おじいさんは「大変だ」と一言言うと竹林の持ち主に連絡をしました。
おばあさんはその事を知ると「縁起が悪い何か起きる」というと仏壇に向かい
拝み始めました。
私は二人の慌てようにただ事ではないことを感じました。
おじいさんと私は夕方竹林に向かい様子を伺いました。
竹の花は竹林一面に広がり真っ白な花が
竹のあちこちに咲いてました。
おじいさんと私は竹林の奥へと進んでゆくと
今度は人魂が飛び交っています。
その様子は不気味で私は逃げ腰になりました。
するとおじいさんは「この竹林の最後だ」というと
カメラを出し写真を撮りました。
そして数日後。
1978年の宮城県沖地震が発生。私の町も震度
4.5という地震に見舞われました。
竹林は50m四方が枯れました。
その地震の影響かはわかりませんが
夜中に竹林の中から無数の人魂が飛び交いました。
市でも着て被害の詳細を調べたときです。
竹林の中に無数の白骨化した遺体が見つかりました。
その遺体の魂が飛び交っていたのです。
警察や検視医が来てかれた竹林の隅まで調べました。
しかし数十対あった遺体が何処の遺体かはわからずじまいでした。
そんな遺体を市が引き上げ無縁墓地に埋葬しました。
おじいさんが撮った竹やぶの写真には、竹の花にまじり
写真の奥のほうに奇妙な人の列が写っていました。
その人の列の間を人魂が行き来してる様子が映し出されてました。
しかし無縁墓地に移された後、成仏したのか
おじいさんの写真からあの人の列が消えてました。
そこにはただ
綺麗に悲しく咲く竹の花が映し出されてました。
作者退会会員
鏡水花さん
何時も画像使わせてもらいありがとう御座います。
竹の花ですが、花言葉あるでしょうか?
縁起が悪いからないか?。
鏡水花さんの作品とは、だいぶ違いますが
見てください。