初めて投稿させていただきます。怖くはないです。よかったらお読みください。
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昔の話
名古屋港に続く「新堀川」と言う川がある。
僕の友達はその川沿いに家を建てていた。
立てかけた看板には きしめん 酒と達筆な字で書かれていた。日曜日以外は お昼頃から夜7時頃まで 絶え間無く客がいた。
一階は店 調理場 地下室もあり 酒の樽と醤油の樽が二つ置いてあり 金魚の水槽もあった。
地下室は 湿気臭くて好きじゃなかったけど 幼い僕は友達のおばあちゃんが 地下室に酒をくみに行くのが面白くて ついて行った。
キュッ キュル とコルクみたいな栓を抜くと アルコールの匂いが広がり 枡にいれ終わるとコシュ キュッシュとコルクみたいな栓を戻していく。その動作が面白くて仕方なかった。
「お酒って美味しいの?」
(美味しいよ 料理にも少し入れるとほっぺが落ちるよ)
「僕 飲みたい」
(子供は飲んじゃかん。料理に入れる酒ならいいけどね)
顔をしわくちゃにして言った。
早く大人になりたいと思った。
店に行くと 遅めのランチ?と酒を飲んでいた客に おばあちゃんが 昼間っからそんなに飲んじゃかん。 煮物が落ちとるよ。美味しい粥 出したるで食べたら帰りゃあよ。と客に話していた。
僕達は 夕方になると 友達のおばあちゃんの近所に英語の先生がいて その先生になぜか算数を教えてもらっていた。みかんで例えたり おもしろ可笑しく教えてくれて
習い終わると いつも氷砂糖を一つくれる それも楽しみだった。
楽しい毎日だった。
ある時 英語の先生から もし興味があるなら 料理を習うのも良いだろう。
これからは 男の子も台所に立って料理をするのが 隔たりのない時代になるだろう。興味があったら おばあちゃんに教えてもらいなさいと。。。
(おばあちゃんの料理と酒がうますぎた )ボソッと言った。それから 算数を教えてもらいに行かなかった なぜだろう。
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今 僕達は きしめん 酒 と達筆で書いてある看板の前にいる 中には もちろん友達のおばあちゃん 料理と酒を楽しんでいる客
変わらない風景
変わったのは 算数を教えてくれた英語の先生が老衰で亡くなった事。僕達が 大人になった事 そして日本酒ソムリエになった事。
友達のおばあちゃんが 笑顔で 顔をしわくちゃにして 左手に酒の入った枡を持って 手招きをしておいでと言っている。
枡の中には おばあちゃん手作りの永久に死なない酒が入っている。
覚悟を決めて ここに永久就職するかな。
作者目
読みにくい内容 文章で すみません。