続き
もしこのままこの樹海から出られなかったら、その恐怖に耐えられなかった。
だけどそこで冷静さを失ってしまったら元も子もない。そうだ来た道を戻れば恐らく。
そう考えた青年は来た道を戻る。ただ足早に来た道を戻る。
すると奥にさっき見た真っ青なキノコが見えてきた。
良かった。青年は安堵した。このまま一生をここで閉じることがなくって本当に良かった。
そう思いながら見えてきた自分の荷物のそばに行く。そして荷物を持ったところで気づいた。さっき来た道が無くなっている。入口からずっと奥まで続いている筈の道が忽然と姿を消した。
何が起こってるのか分からなくなるほど、頭は混乱している。
「なんで?」ぼそりとつぶやいた言葉が山の中に反響してこちらにまた帰ってくる。「なんで?」
その言葉だけが頭に響く。そしてまた山に反響して帰ってくる「なんで?」。
そこ言葉だけが何十にも何十にも重なり自分の四方八方から聞こえてくる。
「なんで?」「なんで?」「なんで?」「なんで? 」「なんで?」「なんで?」「なんで?」「なんで?」「なんで?」「なんで.....」「なんで....」
不意にその反響は消えた。その瞬間青年の耳元で誰かが囁いた
「なんで?」
その翌日家に帰らない青年を心配した家族が捜索願を出したところ、3日後に富士山の樹海の登山道で
見つかった。その青年はずっと「なんで?」とボソリボソリと呟いていた。
作者片隅
きゃーーっ!!ダメだ!全然ダメだ!!もっと面白くしたいのに。
文章力が欲しい今日このごろ。
どうも片隅です。何だか読み返して「これ怖いか?」なんて、自分で疑問になってしまった。
まぁ話を見てくださって、楽しいと思って頂いたら幸いです。