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短編2
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金蚕伝

こがね虫は金持ちだぁ

金蔵たぁてた蔵たてたぁ

不景気な世の中です。しかし、もしも降って湧いた様な幸運の落とし物を見つけたら…貴方はどうしますか?

そのままにしておく?

警察に届ける?

…自分のものにすると思った貴方…

もしかしたらこうなるかも知れません…

金蚕伝…始まります…

時は中国、宋の時代…

開封府に李進という男が居りました。

李進は博徒で、今日もあり金の全てを博打によって使い果たし家路へとついたのでした。

ふと我が家の近くの柳の木の根元に古びた竹籠が置かれています。近づいて見てみると、所々破れていてすこぶる汚い…

博打に負けた腹いせに李進はその竹籠を蹴飛ばしました。…「ジャリン」…思いも寄らぬ手応えに走り寄ってみると…

竹籠の中から大量の銀の粒と銀製の酒器が入った絹のつつみが出てきたのです。

「これはどうした事だ?やっと俺にもツキが回ってきたぞ。」喜んだ李進は、そのまま賭場へととって返し博打を始めました。

するとどうした事か、賽の目は李進の思うがまま、短時間で大金を手に入れたのです。稼ぐだけ稼ぎもう博打も飽きたという所でザワつく賭場を後にしました。

すると賭場を出て直ぐに李進はつけられている事に気づきます。

振り返り、誰何すると暗がりから一人の老人が出てきました。見れば博打仲間の陳翁です。

「なんでぇじいさん。金なら貸さねぇよ。」と言う李進に陳翁は、

『いやいや…お前から金をもらおうなんざ滅相もない…博打仲間のよしみで一つ忠告してやろう。』

「大勝ちすると寿命が縮むってか?」

『いやまったくその通りだ…李進…家に帰ってそのつつみを調べてみろ…異形のモノが出てきたら…おめえ…長くねぇぞ。その時はワシを訪ねて来い。』それだけ言うと陳翁はもと来た道を引き返して行きました。

折角の気分を削がれた李進は、家に帰るなり酒を呑んで妻に陳翁の悪口を言ったのです。すると妻は、『あなた、陳翁は道士だという者がいます。滅多な事は言わぬ事です。』とたしなまれた。

「あの老いぼれが道士だと?」と鼻で笑った李進でしたが陳翁の言葉が気に掛かり、一人になった時に件のつつみを調べ始めました。

するとつつみの下からモゾモゾと一匹の黄色い蚕が出てきました。

「む…異形とはこれか?たかが虫一匹に何が出来る」と言うやいなや李進はその蚕を足で踏み潰しました。

金蚕伝②に続きます汗

怖い話投稿:ホラーテラー マァくんさん  

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