これは、実際にあった(らしい)話だ。
祖母が自分に話してくれた、祖母の友人の体験した話。
幽霊とかはでてきたりせず、どっちかといえば怪奇現象といといった感じ。
もしかしたら怖いとは感じないかもしれない。が、この世界には、人には理解できないなにかがある、という事がわかる話だ。
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祖母の友人(以下Aさん)が、結婚し、庭付きの一軒家に住み始めた頃の話。
せっかくの庭付きであるのに、その庭が花どころか草木も生えておらず、なんだか寂しい景観だったので、なにか木を植えようということになった。
Aさんは梅の木が好きだったので、梅の木を植えることになった。
梅は順調に育ち、春が待ち遠しくなった頃、突然Aさんに、腫れ物ができる。
病院にかかるも、原因不明で、強い痛みもでてきたので酷く悩まされた。
原因がわからないので、当然治療法もわからず、途方に暮れるばかり。
そんな折、Aさんの友人で、僧として働くDさんが訪ねてくる。
Aさんの当時の状態を聞いて駆けつけてきたらしい。
そして、DさんはAさんの容態を見るなり、こう言った。
「こりゃあ、病気とか、そういうもんじゃぁないよ」
さらに続けてAさんに向かって
「・・・あんた、北東の方角に、なんか大きいもの置いたり、建てたりとか、心あたりないかい?」
と尋ねた。
Aさんはしばらく考え込んでいたが、やがて口を開き、
「建てたり、置いたりとかじゃないけど、梅の木は植えたなぁ」
と答えた。
するとDさんは、
「わかった。だったらそれ、すぐに引っこ抜きな。北東は、あんたにとって鬼門なんだ。コイツ(腫れ物)は、その梅を植えたせいだよ。」
と言った。
そうする他に、なにかあてがあるわけでもないので、一家総手で植えた梅の木をすべて抜いた。
すると、一週間と経たないうちに腫れ物が消え、痛みもひいたという。
作者チェル公
割とマジ話です。