短編2
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仮面の女(前編)

夏に男女四人組くらいのカップルが、友人が貸してくれた森の中のある別荘を訪れました。

四人はその夜、持って来ていた(蛍光塗料の塗られた)ジェイソンの仮面を使って、肝試しをしようという事になりました。

ルールは、最初のカップルがジェイソンの仮面を持って森へ行き、それを木の枝にかけて戻ってくる。そして次のカップルは、森へ行って木の枝にかけられたジェイソンの仮面を取って戻ってくるという簡単なものでした。

最初のカップルは森へ行き、ジェイソンの仮面を木の枝にかけて、すぐに戻ってきたのですが、次のカップルは森へ行っても、なかなか戻ってきません。

暫くして、ようやく二人が戻ってきたのですが、二人の手にはジェイソンの仮面はない…。

「(男A)遅かったじゃん!いったい何してたんだよ!?」

「(男B)…ないんだよ」

「(女A)ないって?」

「(女B)なかったの…あの仮面が。捜したんだけど、どこにも」

「(男A)ええ!」

四人は再びジェイソンの仮面がかかっているはずの木へやって来ましたが、ジェイソンの仮面はどこにもありませんでした。

四人は誰かがイタズラで持って行ってしまったのではと考えましたが、この周辺は全くの無人。四人が泊まっている別荘以外には、人の気配はなかったのです。

次の日の夜、四人は辺りを探索する事にしました。

けれど深い森や、遠くに山々が見えるだけで、特に変わった所もなく、もちろん人一人いませんでした。

暫く歩いていると、女Aが暗闇の向こうに、ぼんやりとした緑色の光を見つけました。

四人は足を止め、目を凝らしてその光をようく見てみました。

すると、それは蛍光塗料の塗られたあのジェイソンの仮面だったのです!。

まるで、ジェイソンの仮面をかぶった誰かが遠くの高い建物の上で立ち尽くしているような感じに見える……。いや、本当に誰かが、あのジェイソンの仮面をかぶって、遠くの高い建物の上に立っていたのです。

「………!!!」

四人は驚いて、直ぐにその場所に向かいました。

するとそこには廃墟の病院があり、どうやらあの人物はこの病院の屋上に立っていたようだった。しかし、どこを捜しても仮面をかぶった人物は見当たらない…。

四人は諦めて、別荘に戻ろうと来た道を歩いて行くと、突如 四人の目の前に、あのジェイソンの仮面をかぶった、白いワンピース姿の女性が立ちはだかったのです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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