これからする話は俺が実際に体験した実話です。
俺がまだ17歳だったころ地元の先輩とよくつるんでた
その先輩、俺の2コ上だから当時19歳ですでにバイクから車に移行しつつあった。
先輩とは中学からの付き合いでお互い気が合う、正に親友と呼べる人であった
俺達は平日、昼間、夜、関係なしで時間あれば遊んでいた
それでも週末の夜だけは必ず行く場所が決まっていた
俺達の週末の夜は毎週クラブで酒飲んでナンパしたり他の友達との交流の場だったりしていた
そんな日々を送っていたある週末、 その先輩から今から迎えに行くぞ!と一本の電話が入った。
週末の夜、クラブの誘い、いつもなら暗黙の了解で一つ返事をするところだが、その日はなんとなく気が乗らなくて意地で断った。
自分でもなにが行きたくないかわからなかったし、他にすることもなかった。
俺はその晩、やることもなく12時くらいには寝たと思う…
次の日の早朝、家の外でだれかが俺の名前を必死に呼んでいる
眠い目を擦りながら窓を開けると、同中の同級生が泣きながらパニクっていた。
中学時代はパシリにしたり虐めてた奴だったから内心、なんだこのザコ、調子こいて呼び捨てで呼んでるし
と思いながら話を聞いた
そのパシリから意外な言葉がでた。「M先輩、死んだぞ!」
俺はなに言ってんだこのザコブタ これは早朝からヤキ入れないかんかや、なんて思い、話を最後まで聞くことにした。
そのパシリの話によると、発見されたときM先輩は朝方頃、とある農道の田んぼのど真ん中で車が横転してたらしい その後近所の通報で病院に搬送されたが間もなく、亡くなったらしい…
俺はすぐに事故現場に向かった 事故現場にはM先輩とその夜、共にクラブに行ったK先輩が泣き崩れていた。
俺はそこで初めて理解した
本当に、M先輩死んだんだ…
真実を受け止めるのにどれだけの時間を費やしただろう…
もう、泣き崩れることしかできなかった
男は泣くもんじゃねぇとか変なプライドもクソもなくとにかく泣いた
朝から晩まで、仕事中もどんなときも涙が止まらない
居酒屋で変な野郎と喧嘩になって一緒に闘ってくれたこと、
街中によく買い物行ったこと、
バイクでパトカーに追われて必死で逃げたこと、
バイトも一緒にしたこと、
すべてにおいてもう一緒に楽しいこと嫌なこと出来ないんだと思うとすごく辛くて寂しかった。
友達からたくさん励ましの電話や、バイト先の女の子からは手紙をもらった
「元気出してって言っても今は無理だよね?親友との別れって辛いだろうけど早く元気になってください。でも、家まであとすこしだったのに、神様も意地悪だね…」
俺はまた涙が止まらなかった。
俺は、こんなにいい仲間、みんながいる いつまでも泣いてちゃいかん。自分なりにそう吹っ切り、M先輩のためにも強く立派に生きなきゃと心に誓った。そこで俺はまず、M先輩になにかやってあげられることはないか?と友人に相談した。
その友人が言うには、死者は供養してあげないと死んだときの状態でさまようんだよ。だからちゃんと上にあげてやりなよ。と言われた。その友人の母親は霊媒師のタマゴみたいな人らしく、その筋のおばさん3人くらい集めてグループで色々やってると聞き、すぐに頼んでもらい、日にちを決めた。
2日後、その友人宅に、最後にM先輩といたK先輩、地元のバイク仲間3人、俺、5人で伺った。
家の中に招かれて居間に色々と用意されていた。
そこで俺達はよろしくお願いします。と頭を下げると、一人のおばさんが意外なことを口にした。
「さて、始めよかね。とその前に、あなた達が玄関から入ったときにすぐわかったんだけど、この中の一人に、多分そのM君だと思うんだけど、ついて来てたよ。でも、この部屋に入った途端に抜けたよ」とニコっと笑った。
それから浄霊が始まり、しばらくお経を唱えて浄霊が終わりに差し掛かったそのとき、一人のおばさんが目を閉じたまま、涙を流し、上を向いた
他のおばさん二人は尚もお経を唱え続けている。
二人のおばさんによるお経が唱えられる中、一人のおばさんは涙を流しながら、上を向いたまま、びっくりする行動にでた。
なんと、閉じた目から涙を流し上を向いたまま俺の方に手を突き出し、
「またな。」
と言いました。
俺はすぐにM先輩が最後に挨拶してくれたんだと思い、うれしかった
無事に浄霊が終わり、またおばさんが話だしました。
「さっきついて来てたって言ったでしょ? あなたについて来てたんだよ。多分あなたに助けてほしかったんだと思う。おそらく痛くて苦しくて、なによりみんなと別れることが悔しかったんだろうね」
俺は人として、友人としてこれでよかったんかなぁと時々思います。
人の命って本当尊いし、いなくなるとどれほど悲しむ人がいるのか改めてわかった。 ニュースで毎日のように殺人事件が発生してるが、人を殺す人が無くなる世の中になることを心から願います。
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作者怖話