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いつのまにかそこにいた。
夕暮れ町を歩く
ひたひた。ひたひたと
いつまで歩くんだろう?小高い山?丘が見える
入ろう?舗装された道だ。
一歩入ると、むぁっとした植物の臭い。
ゆっくりと坂道を歩いていると、奥まった道に狗がいた。ゲッ。ゲッと奇妙な音と流延を垂らしていると、くるりと振り返った。
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化け物だった。否、化け狗だった。
「ぐぅああおおおお」追いかけてくる
ダダダダダダ
逃げるのに必死でありあちこちを草木できりつける
この世界はどうしたんだろう。
丘の中腹にある銅像の裏に獣道がある。
逃げればいい。やり過ごせるかもしれない。
それしかなく、足元の蔓草を踏みながら歩き始めた。
手にもっているのは何だろう。
背中にリュックサック、気になる。
がさがさ探る。携帯とアレ。
助かった。
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ここはどこだろうと、携帯のGPSを見る。
届かない電波。小さく●山?とかいてる
ゆっくりしている時間はない
取り敢えず探さなきゃ、無事に落ち着ける所。
赤い屋根が見える。トタンのドアがキイキイと嫌な音を軋ませる。入って見ようか?
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入って見ると光る目がみあった。真っ白な髪
「きれいなかみだね。」と少女は不釣り合いな言葉を紡いだ。
「ありがとう、お嬢ちゃん、おうちの人は」
「ナカミナカミ中味」と近寄ってくる。
二つの光る目をではなく腐った蛆虫が目の代わりをし、「いないよダレモ。」と稲刈り鎌を置いた彼女は鉈を手に持った。
ざりざり。後退りし走りだした。入り口もとい出口にあった鍬を拝借して。
無我夢中で走り、
町を抜け、もと居た町に戻ってきた。
当然、入り口には真っ暗でダレモ居ない。
灯りのある電灯のしたで手を着いた。
その時、ふと足首を、掴む存在に気付いた。
無言でぐしゃああと鍬を、落としたんだった
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あれから覚えていない。
ただ足首にいつのまにか付いた小さな手の痣は2度と消えてくれないだろう。
作者ゆめうつつ
取り敢えず近くの山を見てました。