短編2
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夜中のマンション

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これは、俺の友達から聞いた話なんだ。

彼は会社の飲み会のあと、少し酔っ払いながらマンションの前まで帰ってきた。

それでエレベーターに乗り込んだ時、あれっ?って思った。

もう深夜を過ぎたというのに、高校生くらいの男の子がエレベーターに乗り込んできたから。

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大学生かな、もしそれならサークルの打上げとかで帰りが遅くなったのかもしれない。

そう思った彼は自分の部屋の階数のボタンを押して、その階につくまで待っていたんだ。

それで、その階に着くと彼はそのまま自分の部屋に向かった。けれど、その少年も後ろをついてくる。

とうとう彼の部屋の前まで来ると、彼は少し不審がった。

何故って、彼の部屋は廊下の一番はしっこだから。

彼の部屋より奥は行き止まりで、部屋はないんだ。

どうしたんだろうと思ったけど、なんだか薄気味悪かったので彼は逃げるように部屋の中に転がり込んだ。

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慌てて鍵を閉めたその時。

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shake

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sound:14

ガチャガチャガチャガチャガチャガチャ!

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ドアノブを回そうとする音がしたんだ。

間違いなく後ろにいた少年だろうと思った彼は狼狽しながらも、玄関の扉を恐怖のあまり蹴り飛ばした。

…………そうすると音はなりやんで、彼はチェーンをしたまま扉を少し開けたんだ。

好奇心ゆえに、だね。

sound:27

カチャ。

そしたら……にゅ、と真っ白い指先が扉をこじ開けるように現れたんだよ。

男は焦りに焦ってあわててドアを占めた。

でも指が引っかかってドアは締まらない。

勢い任せにドアを締めようとテンパる彼に、ノイズのような曇った声が言ったんだ。

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shake

「イタ、イ。イタイ……」

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指は力が抜けたように脱力し、ゆるゆるとドアから引き抜かれていく。ホッと安堵した彼はあわてて鍵をしめた。

そして、彼は気を失ったように眠ったんだ。

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次の日、気が付いたら朝で玄関の前には誰もいなかった。あれから何ヶ月か経つけど、彼は未だにその少年を見てないんだって。

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