8年前に付き合ってた女の話。
堀北○希っぽい感じの俺とは釣り合わない、可愛い女だとこの頃は思っていた。
なんか両親はどちらも亡くなられていて、寂しい思いをしていたらしいところを俺がとっ捕まえた(笑)
父親を中1の頃に亡くし、母親は去年亡くなられたとか。
この頃(8年前)の去年っつーのは大学2年の時の話。
彼女の名前は美羽っていって中学からの同級生で、この時あった同窓会で捕まえたんだけど、ちょっと(かなり)おかしなところがあったから紹介したいと思う。
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付き合って半年過ぎた頃、一緒に出掛けることになった。
まず外で会って色々遊んだ後、疲れたから一人暮らししてる彼女の家に行くことになった。
両親は二人とも事故死。
美羽は保険金か何かでお金は持ってて、生活には困ってなかったらしい。
不謹慎だけど、この頃まだ実家暮らしだった俺には少し羨ましく思えた。
そんで彼女の家でS○Xしたからまた疲れて寝て、しばらくした後トイレに向かったんだ。
そのとき夕方だったからか、眩しい光のようなものが何故か壁を貫くように差していた。
不思議に思ったから、その壁を押してみたら隠し扉になってた。
その扉の先は小さな窓のある部屋だった。
中には美羽のと思わしき勉強机みたいなんがあって、壁の三方向[左・中・右]に大きく赤い字で詩(うた)のようなものがつづられていた。
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で、これがその詩の内容
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………
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これは聖戦だ
悪との戦いだ
仇なす者を葬り去る
それが我らの信条だ
血をばら撒け
裁きを下せ
さぁ、声高らかに
歌え歌え鏖の詩
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隣人を殺せ
友人を殺せ
我らを理解できぬなら
家族をも惨殺せよ
愛を憎み
憎しみを愛せ
さぁ、声高らかに
歌え歌え鏖の詩
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生は混沌だ
死は平等だ
奴らの命を絶てるなら
この魂をも解き放つ
地獄に歌え
亡骸に歌え
さぁ、声高らかに
歌え歌え鏖の詩
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………
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(よくわからん漢字もあったから、とりあえず写メった後パソコンで調べて載せてる)
内容が内容だったから真面目にビビったし、あいつが起きてきたらどうしようかって実際あせってた。
あせっていた俺は少し敏感になっていたんだろう、なんか後ろから物音がした気がしてビビってすぐに部屋に戻った。トイレに行こうとしてたことも忘れて。
部屋に戻ったらあいつが居なくて、ヤバいと思った俺は即行で服を着て家に帰ろうとしたんだ。そしたら、
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「帰るの?」
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と後ろから声がして、振り返ると美羽が裸でたたずんでた。
「あぁ。用事、思い出したし…」
と、俺が言うと、
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「そうなんだ」
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と返してきた。
自分の顔が引きつってたのが分かった。
萎縮していたのもあるかもしれんが、あの時のあいつの目は、、、非常に恐ろしく見えた。
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次の日、俺は彼女に別れてほしいと告げた。
理由はあえて言わなかったし、彼女も聞いてこなかった。
すぐ別れたのは軽率だった気もするけど、報復やら復讐やらは無かった。
何も無いのが怖いくらいに、何も無かった。
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8年経った未だに、美羽と会うことは少し怖い。
思えばあの時、声を掛けられて俺が振り返ったのはトイレ方向だった気がする。
早い話、隠し部屋のある方向だ。
やっぱりあいつは気付いてたんだろうか?
俺が写真を撮ってる間も、もしかしたら俺の後ろにいたのかもしれない。
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…
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…
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…来月、久々に同窓会がある。
しかもよりによって、あの女(美羽)が幹事らしい。
行くか行かないか俺は今も迷ってる。
まぁ、断ればいい話なんだけど、一応これが遺書代わりにでもなればなと(笑)
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ちなみにコレ →「鏖」
一文字で「みなごろし」って読むらしい。
作者無名有人
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