母とBさんに気を送ってもらい、やっと落ち着いてきた頃、膝を抱えてひたすらボーッとしている弟の顔をふっと見た。
ぐにゃ~っ
と顔が変わり、あの女の顔になっていく。
目がある場所は真っ暗の空洞で、顔は泥かなにかで汚れており、髪型は真ん中わけの女の顔。口は何故か固く閉じられていた。
それを見た途端涙がでた。
(え?なんで??止まらない!?)
母が「急いでこっちに来なさい!」と抱き締めながら、ひたすら背中をさすってくれた。
その時。
「や~だ~」
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私の口から突然でた言葉に驚いた。
行きたくないって気持ちが強くて、やめろって感情に支配されていた。
必死に母とBさんが背中をさすりながら、「こっちに来い、こっちに来い!もっとこっちに来い!!」と気を送り続けてくれて、ようやく落ち着いた。
そこからはBさんから聞いた話。あの女の霊は、Aの深いところまで入っている。行動を操ったり、弟を操ったりできるほどの強さ。あれはお払いにすら行けないだろう。しかもBさんに威嚇してくるほど。余程邪魔だったんだろう。離れれば弟も戻るって言われた。
とりあえずその日は実家のソファーで寝かせてもらえることになり、一旦自分の部屋に荷物を取りに母と行くと…
押し入れの前が寒い。寒すぎる。こたつに入ってた時に感じたのと同じくらい、押し入れの前の一部分が冷えていた。
あ、ここにいる…
ってわかるくらい。母も感じたらしく、早く行こうと催促してきた。
その夜、ソファーで横になりテレビを見ていると、2階の私の部屋から…
…ギィ…
sound:26
バタンッ!
…カツカツカツカツカツカツ
…カツカツカツカツカツカツ
廊下を行ったり来たりしてる音が聞こえた。今下の階誰もいませんけどー!?
怖いながらも、さすがに疲れていた為、気がついたら朝だった。
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次の日、起きてきたC子に、「昨日の12時半ごろ起きてた?」と聞かれた。私は11時半には寝ていたはず…
「帰ってきた時に、上体起こしてるように見えて、弟と確認したんだよ~。弟は寝てるじゃんって言ってたけど。」んなわけないよ~と流してたら、Bさんが起きてきて、「昨日の夜大丈夫だった?大変だったでしょー?」と言われた。
なにがですか?と聞くと、「私の部屋にいる女の霊が、わざわざ音響かせながら、夜中上がってきてた。私の方に行ったなと感じた。のぞきこまれなかった?」
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shake
ゾッとした。
C子の見たものは、上体を起こした私じゃなく、顔をのぞきこんでる女の霊の影が見えていたんだと…
separator
それから3日くらい、女の霊が昼間でも夜でも廊下を歩く音や、階段を上がってくる音が聞こえていた。私は、母が近くにいることもあり、あまり気にならなくなっていた。
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とりあえずそろそろ戻ろうかと、1度私の部屋に母と行ってみると…押し入れの前の冷えがなくなっていた。嫌な空気も流れていなかった。あれ?居なくなった??その日の夜、元カレから連絡がきた。元カレの家にAは転がり込んでいた。信じてもらえないだろうと、とりあえずAにはヤバイのが憑いている、私の方ではどうにもできなかった。そっちも気を付けて。と話した。最初ははぁ?と言っていた元カレが、女の霊がついてるんだよと説明すると、どうやら元カレの彼女が部屋の押し入れに居るのを見たらしく、わかったと電話が切られた。
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その後Aはお払いに行ったが、1度目は軽くバイクで事故ったらしい。2度目はどこかの宗教団体のところだった。結局逃げられないんだろうなと、もう関わらないでくれと電話を切った。
終わり
作者プリン
読んでくださった方ありがとうございましたm(_ _)m
思い出せる限り書き出したら、長くなってしまいました…申し訳ありませんm(_ _)m
なんかこうやって書き出してみると、あまり怖くありませんね…
あの当時は本当に怖くて怖くて仕方なかったのですが…
あのあと、弟はAなんかいなかったかのようにケロッとしており、A覚えてる?と聞くと、ああ…あんとき俺おかしかったよねと。
今後は真っ黒に見えた人とは関わるのは絶対にやめようと誓いました。ねぇちゃんのせいでごめんorz
また機会があれば、母の話でも書こうかと思います!
ありがとうございましたm(_ _)m