短編2
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悪魔の願い

悪魔は気まぐれに、四人の人間の願いを叶えた。

四人には共通点があった。殺したいぼどに憎んでいる人間がいることだ。

一人目は毒を願った。一口で死んでしまい、体に残らない毒を与えられた。

二人目は銃を願った。音の聞こえない、対象を外さない銃が与えられた。

三人目は対象に近づける立場を願った。明日にでも殺しに行けるような、近い地位を与えられた。

そして四人目。

四人目は少し考えるようにしてから、憎しみの対象があるものを見えなくしてほしいと願った。

悪魔は首をかしげたあと、少し置いてから面白そうに口角を吊り上げた。

そして、四人目の願いも叶えられた。

願いを叶えられた四人は、それぞれ殺人を成し遂げた。四人目以外の三人は自分で殺人を行ったが、四人目はなにもしなかった。

だが、四人目の殺したい人間はトラックに牽かれて死んだ。車が通っているというのに、赤信号を渡って。

四人目が悪魔に見えなくなるように願ったのは、車だったのだ。

separator

「これでおしまい」

「ええー、続きは?悪魔は出ないの?」

「さあなあ。怖い話をしてくれっていうからしたけど、知り合いに聞いた話じゃあ、これで終わりだ」

「つまんなーい。ていうか絶対ホントの話じゃないよね?おじいちゃん」

「さあなあ」

「もう。じゃあいいや、怖い話やめてゲームしよう。僕とってくる」

そういって孫は私から離れた。

「...さすがに信じないか」

数十年前にあの男が死んだときは、叫びたいほどに嬉しかった。妻を牽き殺してのうのうと生きていた男は、どうしても同じ方法で殺したかったのだ。

きまぐれな悪魔にはあれ以来会っていない。私が死んだら魂を取りに来るのだろうか、あるいは。

Concrete
コメント怖い
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月舟様
コメントありがとうございます!
こんなに短い話にコメントをいただけて有り難いです!

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ふたば様
コメントありがとうございます!
あるいはの先はいくつか考えてはいたのですが、先がぼやけた方がいいかと思い無しにさせていただきました。

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mami様
コメントありがとうございます!
薄くなんてありません、大変嬉しく有り難いです(^∇^)

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ありがとうございます!
手探り状態で書いていたのでこのように言ってもらえて安心しました笑

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こう言う作品は好きですぞ♪

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