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短編2
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後輩 M君の祖父母の話

私の後輩から聞かせてもらった、不気味な話です。

後輩は地方から上京して私と同じ大学に通っているのですが、地方にある実家には現在、両親と祖母の3人が暮らしているそうです。

私の後輩であるM君には若干の霊感があるそうです。

ただはっきりと視たり聞いたりするのではなく、空気というか、少し変わった雰囲気などをたまに感じるくらい、だそうです。

その話を聞いてから、私はちょくちょくM君の住むアパートの部屋に押しかけては、彼の部屋で怪談朗読の動画や、ホラー映画を見るなど、はた迷惑な事を繰り返していました。

その日もM君の家に押しかけて、新しく聞いた怪談話を聞かせていると、お酒がいつもより多かったM君が「俺の実家に住んでるばあちゃんの話なんですけど……」と話始めました。

普段はそういった怪談やホラーがあまり得意ではないM君が、そう切り出したのは、実家にまつわる不気味な話でした。

M君の実家は東北地方にある田舎らしいのですが、両親と同居しているお祖母さんが、少し怖いのだそうです。

どのように怖いのかと聞くと、まだM君が小学校低学年の頃にお祖父さんを失くして以来、精神的に病んでしまい、おかしな行動を繰り返すという。

私が、アルツハイマー病とか、単なる痴呆症ではないの?と聞くと、M君は「まぁ、それもあるんですけど……ただやっぱり不気味なんですよ」と苦笑していた。

M君曰く、お祖母さんは現在、M君の両親の隣の部屋で寝起きしているのですが、M君が家を出るまでは亡くなったお祖父さんの書斎を改築した部屋を使っていたようでした。

そして、夜になると唐突に誰かと喋り始めるのだそうです。

「かなり大声なんで始まると、あぁ、またか…ってゆー感じになるんですよ。ばあちゃんの独り言なんですけど」

ある晩、M君が寝ているとお祖母さんの喋り声が聞こえてきて突然、廊下をドタドタッ、と走っていく音がしたそうです。

それから暫くして、リビングからお祖母さんの悲鳴が聞こえ、何事かと行って見ると、お祖母さんがトースターに右手を差し込んでいたそうです。

そして錯乱状態のお祖母さんの手をトースターから出して、すぐに救急車を呼ぶ事に。

「今でも覚えてますよ、ばあちゃんの血だらけの右手……めちゃくちゃグロかったですもん」

どうしてお祖母さんがそんな事をしたのか聞くと、M君はすごく嫌そうな顔をして、

「……じいちゃんが無理やり引っ張って行ったから……」と教えてくれました。

現在、お祖父さんの部屋にはお札が貼られ、扉にも鍵がかけられているそうです。

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