最近なんども人に殺されかける夢を見る。
別に誰に恨まれるような事をしたつもりは無いのに、
なんども。
その夢にでるのは女らしいが、
顔は靄がかかって良く見えない。
しかし確かなのは、
あらゆる方法でそいつは
俺を殺そうとして居る事だ。
ある夜俺が夢を見て居ると、
その夢にまた女が出て居た。
女は俺の首を締めながらゲラゲラ笑って居る、
徐々に酸素が足りなくなり、
本当に死ぬんじゃ無いかと思った俺は
とっさに女の手首を強く握った。
次の朝、
なんとか助かったらしい俺が洗面台に行くと
そこにはくっきり首を締められた跡がある。
『うわー…ホラーだ…』
殺されかけたショックで他に何も言えない俺が
ゲンナリした顔で痣をなぞって居ると、
機嫌の良さそうな姉が洗面台に割り込んで入って来た。
『…機嫌良さそうだな』
『うん、最近良い夢見るから。』
嬉しそうに鼻歌交じりで顔を洗う姉の手首には、
握られたような痣が付いて居た、
『次こそは』
姉は呟き、
洗面所を後にした。
怖い話投稿:ホラーテラー とちおとめさん
作者怖話