短編1
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夢の中の殺人者

最近なんども人に殺されかける夢を見る。

別に誰に恨まれるような事をしたつもりは無いのに、

なんども。

その夢にでるのは女らしいが、

顔は靄がかかって良く見えない。

しかし確かなのは、

あらゆる方法でそいつは

俺を殺そうとして居る事だ。

ある夜俺が夢を見て居ると、

その夢にまた女が出て居た。

女は俺の首を締めながらゲラゲラ笑って居る、

徐々に酸素が足りなくなり、

本当に死ぬんじゃ無いかと思った俺は

とっさに女の手首を強く握った。

次の朝、

なんとか助かったらしい俺が洗面台に行くと

そこにはくっきり首を締められた跡がある。

『うわー…ホラーだ…』

殺されかけたショックで他に何も言えない俺が

ゲンナリした顔で痣をなぞって居ると、

機嫌の良さそうな姉が洗面台に割り込んで入って来た。

『…機嫌良さそうだな』

『うん、最近良い夢見るから。』

嬉しそうに鼻歌交じりで顔を洗う姉の手首には、

握られたような痣が付いて居た、

『次こそは』

姉は呟き、

洗面所を後にした。

怖い話投稿:ホラーテラー とちおとめさん  

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