これは、西日本の日本海で起こった本当に体験した話。
4年前の夏の事。
私たち夫婦はダイビングをしています。
夏休みに入ると日本海の海岸には沢山の海水浴客やキャンプ、BBQ等を楽しむ若者や家族連れで賑わうのですが。
私たちダイバーは、アフターダイブを浜辺でビールやBBQをしながら楽しんでいました。
一緒になった同じダイビングセンターの仲間やインストラクターと喋っていたんです。
ダイバーはすぐに友達になることは珍しくありません。
明日は朝一に東側の洞窟ポイントに行ってみようなど、計画さながら花火などをしている他のキャンプ客などをみながら楽しんでいました。
子供の野外授業の団体の引率らしきの30歳くらいの男性が駆け寄りこう話しかけてきた。
「あのーっ、此から子供たちが肝試しをするのですが。
とくに仕掛など無くてつまらないだろうから、ゴール地点の浜辺で何か驚くような事をしてくれないかな?」
六個束のビールを、差し入れながらニコニコしながら話しかけてくる。
先生?らしき男性のお願いに。
少しほろ酔いの他県から来たダイバーのA君が
「イイッスヨ。どんな感じがよいかな?」
先生は
「子供たちが、ワーキャー言うような怖いけど面白可笑しい事できますか?」
って事になり。
A君は干してあった、真っ黒のダイバーのウェットスーツ着て驚かす事になったのです。
頭迄スッポリと、ダイバースーツと頭もスキンまで着てA君はヤル気満々。
少し小高い海沿いの遊歩道を子供たちがグループで回ってきているようだったが
中々降りてこない。
そこで連れのB君がバイト先で使う工事用の反射版テープを、A君のスーツにからだのラインが浮き上がるように張り合わせてみた。
近くで見ればバレバレのテープを貼った変な格好の人だけど。
弓矢形の浜は入り江になっていて。
地形のせいか少し離れて月夜で光A君は、大人がみても、ぼーっと白い光が浮き上がった気色悪いものに見えて。
B君はあれマジで子供たちみたらチビるんじゃね?
お調子のりの、上にほろ酔いのA君は
変な格好の躍りを踊っていた。
両手をゆらゆら動かし腰を動かし
たまに、ジャンプしたり。
ほんとにあいつは楽しんでるなっと
B君がビールを追加で開けたとき。
私と主人は目があった。
怖い話とかとくにみたわけではないのだけど子供の頃に怖がっていたあれに似てる。そう思ったから。
畑や田んぼなどに出てくる。
くねくねそっくりだったから。
ちょっとやり過ぎではないかなぁ?
って呼び戻そうとした時に子供たちがゴール地点の浜の見えるBBQガーデンまで戻ってきて
「キャーっ、ぎゃーっ!」と女の子は本気で叫んでいた。
先頭の男の子の何人かは、化けたA君を懐中電灯で照らしたのです。
反射版は懐中電灯で、照すともっと白く浮き上がり
例えようがない白い光の【ひとがた】がくねくねしているものだから。
立ちすくんで固まっている様だった。
やっぱり怖すぎるからA君を止めようと話した矢先に
A君が、お調子にのって砂浜から海に入ってしまった。えっ?
子供たちの胆試しは次の、グループが帰ってきて始めのグリープに駆け寄り大騒ぎです。
「なに?あれ?誰?
先生いたよね?じゃあ誰?」など大騒ぎになって、パニックになっていた。
引率の先生がこちらに急ぎ足で着て
「あっ、もうそのくらいで…ネタばらしお願いします。」
等とB君たちに話してきたので
「おーい。A君もう、そのくらいでいいって」
B君が、駆け寄ろうとしたら
A君が、海の波にさらわれて沈んだ?!
えっ?
酔っていてこけたのじゃないのー?
ってインストラクターも
「しゃーないなぁー」と救助用のブイを持って近寄ってすぐに行く。
「おーいだれか、手をかしてくれーっ!」と焦ったように叫んでいた。
私は急いで浜を20メートルほど走って立ち止まりました。
さっきまで水際でふざけていたA君が、見当たらない。
本当に波に飲まれたのだろうか?
数分の出来ごとだ。
仲間たち総勢8人で駆け寄り、その辺りを探したのだか暗くてわからない。
でも、あんなにひかる反射版テープつけているから。
絶対にわかるはずなのに
海はエメラルドブルーで昼間は15メートル先まで海中が見えるほどの透明な海だ。
もちろん時にはナイトダイビングしている人もいるくらいです。
ダイビングショップの、オーナーに電話をして救急車と警察を、呼んでもらう。
その騒ぎのなかでも子供たちの
パニックは広がっていき、
「くねくねがいた?あれくねくねだった。見てしまった。海に消えたぞー見た奴は何人おるんか?」など、ざわめきたって先生が
「あれは、ダイバーさんを頼んで仕掛けただけだ」と、言って落ち着かせようとしていましたが。
めのまえで海に消えたくねくねだと信じてしまった子供たちは集団ヒステリーになって、どうにもならない。
他の先生たちも入り、一旦キャンプのバンガローに戻そうとしていましたが。
泡を吹いて倒れている子供たちも何人か見えました。
私たちは、ダイバースーツに、急いで着替えてフィンやマスクを、つけて。
二人一組でA君を探しに海に入ろうとしていた。
そこに警察と消防と救急車が回転灯を回しながら到着し。
「私たちには海に入らないでください。指示にしたがって状況を説明してください。」
「あの子供たちは?どうされたのですか?」など、叫びながら浜に救命ゴムボートがすぐさまでた。
夜明けになってもA君は見つからなかった。
そして。警察の事情聴取を泣きながらB君たちのグループは、受けていたけど。
A君は、ダイバー歴12年のベテランだったそうです。
私たちは子供たちが気になり、
宿泊詰め所に行きましたが、三人が倒れそのうち二人がうわ言をいって高熱が出て入院していると言う。
3日間の予定でダイビングをしています楽しもうとした私たちでしたが。
まだ見つからないA君の捜索は海上保安庁の船なども沢山出て。
とても潜るどころの話ではない。
もちろんそんな気分にもなるわけもない。
私たちとは違う参加者だったB君たちを残して私たちは、一時間かけて帰宅した。
その日の夕方のニュースでA君は海底で沈んだまま見つかり。
ニュースではお酒を飲んで海に入った男性が死亡と伝えられた。
ダイビングセンターに、電話をいれました。
店長さんが
「すみませんでした。
ダイビングツアーが一緒だった方が亡くなられて、たまたま一緒に潜ったグループだったばかりにご迷惑お掛けしました。
B君はすっかり落胆し、朝まで泣いて救助用のボートにも一緒になった乗って海に出ていたそうですが、ちょっとヘンナコトを、言っていたのですよ。」
「昨晩浜辺でお化け役をかってでたA君の腰から足にかけて。
黒いものが巻き付いていたと言うんですよ。
しかもA君は数秒で海中に引き込まれて助けられなかったと。」
「まるで大きな何かに飲まれて行ったように、引きずり込まれたと。」
そして後の話し。
あの関西から来ていた野外授業の生徒さん精神を病んでしまって親すら分からなくなり目の前に人が来ても視界に入ってないようなんです。
子供たちが見たものは、くねくねに化けた、人だったのですが。
先生たちがいくら説明してもくねくねは
海に消えた人間なら消えないと数人が言っているそうで、親御さんは転校させた人も居るそうです。
そして私はその美しい海岸には二度と行けなくなりました。
子供たちが見た偽物のくねくねと
くねくねの真似をして海に連れていかれたダイバーのA君の事を思うと。
やりきれません。
海に花束を流して黙祷をしてそれから二年。
A君を連れて行ったもののショウタイハ何だったのだろう?
あまり上手くかけなくて申し訳無いのだか。
これは私たちが実際に経験した。
怖い話です。
その事故以来、ダイバーが減って
ダイビングセンターは閉店してしまいました。
今でも夜の海には近寄れません。
子供たちが見たものは死の、直前の男性ではなく既に魔物に憑かれた何かだったのでしょうか?
トラウマになっただろうと思います。
ふざけすぎもよくありませんが。
決してA君は海に入ったわけではないのです。
波打ち際を、ピョンピョン跳ねていたのです。
作者うみねこ
海は怖いですね。
でも、この話しはなかなか話せませんでしたがダイビングセンターが無くなり解禁します。