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中編4
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生への執着

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これはある日、部活が終わり学校からバスで帰るときのこと

俺はいつも通り暇なのでスマホをいじっていた

だが少し目がつかれてきたので外の景色を眺めた

時刻はとうに7時を過ぎていたのであたりは真っ暗なのだがバスの前方はヘッドライトで明るかった

俺が外を眺めた時、バスはガードレールの横を通っていた

その時、俺の目にあるものがとまった

ガードレールの下に置いてある花束

ではなく、その奥にいる女だ

女は俺をじっと見つめており

その目は何かを必死で求めているようで、強い怒りや憎しみを持っている

そんな目だった

俺は女の目を見た瞬間凄まじい悪寒に襲われた

その悪寒はバスを降りるまで続き、

この日からあの女の目が頭から離れることはなかった

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翌日、怪談関係に詳しい友達"美希"にこのことを話してみた

「、、、そんでもうあの目がずっと頭から離れないわけ」

「どこ!?それどこで見たの!?」

美希が目の色変えて聞いてきた

「え?、、えーっとS公園の近くのガードレールのとこ」

「え!?本当!すごい!!

いいなぁー!!私こういうの見たことないからすっごくうらやましい!!!」

(こちとらめちゃくちゃ怖かったんですけどーーーーー!!)

「あそこで何があったか知ってる?」

「知ってるよ

あそこね、人が3人くらい自殺してるから」

「自殺!?まじで?」

「うん!しかも全員女子高生らしいよ」

「それ本当に自殺か?」

「調べた限りではそうだったよ」

「まじでかー。とりあえずあそこの通り見ないようにしよ」

俺はこの話をこれ以上聞きたくなかったので話を早々に切り上げた

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放課後、俺は用事を済ませて家に帰ろうとすると、、

「あれ、、ない!!

サイフがあああああああ!!!」

どうやら家にサイフを忘れたらしい

現金はおろかバスの定期券まで入っていたため俺は歩いて帰らなければならなくなった

歩いて帰るとなるとあのガードレールの道を避けては通れない

絶望を味わった

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40分歩いてようやくガードレールの近くまで来た

だが俺の先に人がいた

まぁガードレールの反対側にはいくつか住宅があるから当然といえば当然だ

だがここで一つ

俺は実はコミュ症だ

なのでものかげから眺めてみた

するとそこには、美希と四、五十代のおっさんがいた

もう一度言うが俺はコミュ症だ

例えそこに友達がいても!

なので遠くから耳をすませた

「ここで亡くなった方について何か知ってるんですか?」

「ああ、知ってるよ

なんたってみていたからね」

「本当ですか?聞かせてください!」

どうやら美希は俺の話を聞いて興味がわいたのかここのガードレールをうろちょろしていたのだろう

そこへ近所住民が挙動不振な女に声をかけたと言うわけだろう

(なんつーか本当呆れるわ)

「ここではな、3人の女子高生が

ー殺されておる」

最初美希に聞いた自殺という情報より俺はこの情報に妙にしっくりきていた

「自殺ではないんですか!?」

「世間でそう言われているだけだ

彼女らは必死で生きたいと願っておったよ

最後の最後までね」

(最後の最後?なんでこいつがそれを知ってんだ!?)

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「きゃっ!!」

男は美希をガードレールに押し付けた

美希は必死で抵抗している

俺は急いで美希を助けに向かおうとした

だが次の瞬間、俺の足は止まった

いや俺の足"も"止まった

なぜならガードレールの下から無数の手が男の足を掴んでいたからだ

足を掴まれた瞬間の男は、恐怖一色に染まっていた

そして男は声を出す間も無く下に引きづられていった

男の姿はもう見えない

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一方美希は、先ほどまで押し合っていた男が消えたので、バランスを崩しガードレールから落ちそうになっていた

「誰か助けて!!!!」

美希が叫んだ

男の最後を見て唖然として俺はこの叫び声で我に帰り急いで美希の元へ行った

「○○(俺の名前)!!」

俺に気づいた美希は、片手でガードレールを掴み、まっすぐ俺に手を伸ばした

俺は美希の手をすかさず掴み、これでもかという力で引っ張りあげた

「とりあえず!!!私一回死んだ!!!」

「バカか!!!」

「バカよ!!

でもそんなバカを助けたバカには言われたくはないね!!」

俺はその言葉に吹き出した

それにつられて美希も笑った

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その後、あのガードレールである噂を聞いた

ガードレールの下から男が死にものぐるいででてきては引きづられるように連れ戻される光景を見たという

俺もこの話を聞いてガードレールをバスから眺めてみた

するとそこにいたのはえらく歪んだ笑顔をうかべる女の姿だ

女の目は満たされたようだった

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