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短編1
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姿見

今は亡き祖母から聞いた実話です。

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正月に祖母の家に帰省した時の事。

こたつに入り、祖母と一緒にみかんを食べていたら、ふと、祖母が何か思い出したかのように、嬉々としてこんな話をし始めました。

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「そうそうお婆ちゃんね、昔あんたと同じ年の頃に、その姿見でね、じゃんけんした事があるの」

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「ん?」

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突然何を言い出すんだ、と思いつつも、最近まだらボケが垣間見える祖母の話に、私は耳を寄せた。

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「その姿見よ」

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祖母はミカンの皮を剥く手を一旦休めると、おぼつかない指先で、部屋の隅に立て掛けられた大きな鏡を指差して見せた。

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「あの鏡に?」

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私がそう祖母に聞き返すと、祖母はゆっくりと満面の笑みで頷きながらこう言った。

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「そう、その姿見に向かってじゃんけんをしたの、そしたら一回だけ勝ったのよ、私は大喜びしたんだけど、鏡の中の私は、とても悔しそうな顔で私の事睨んでたの、可笑しな話でしょ」

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あれから数年して祖母は亡くなりましたが、今でも実家にある、あの姿見を見る度に、私はこの話を思い出すんです。

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嬉しそうに想い出話しを語る祖母の顔と、あの時、姿見にチラリと映った祖母の、憎々しげな横顔と共に……。

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コオリノさんこんにちは(^-^)
勝っても負けても怖すぎる(T_T)負けてたら入れ替わられたりしたのかなー(;・д・)

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コオリノさん
久しぶりです♪
待ってましたよー。
深夜喫茶店のお話も楽しみにしてます♪

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