とある新婚夫婦がいました。
夫婦は子どもが大好きでした。
「子どもはやっぱり、男の子も女の子もほしいね」
夫婦はまだ見ぬ我が子に大きな期待を膨らませていました。
ほどなく、一人目の子どもを授かりました。男の子でした。
夫婦はその子を溺愛しました。
こどもの日が近づく頃には、その子のために鯉のぼりを飾りました。
大きな黒い真鯉、真っ赤な緋鯉、小さな青い鯉…。
まるで、この家族そのもののように。
しかし、その後の数年間は夫婦が熱望する女の子どころか、子宝にすら恵まれませんでした。
5年の月日が流れ、ようやく子宝に恵まれました。
しかも、夫婦が熱望した女の子でした。
今年ももうすぐ鯉のぼりの季節がやってきます。
今、この家族の家の庭先には子どもの鯉が5匹に増えた鯉のぼりが、風にたなびいています。
新たに、飼い犬も家族に加わり、庭先を駆け回っています。
おやつにもらったのでしょうか?小さな骨をくわえながら…。
作者とっつ
初めて投稿させていただきました。
ちょうど我が家も今日、鯉のぼりを飾り付けたところです。
「意味がわかると怖い話」に初めてチャレンジしてみましたが、分かりやす過ぎたでしょうか
。
実は「ホラーテラー」OB で、創作は6年ぶりくらいです。
ここは過去作品を投稿してもいいのでしょうか?