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短編2
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夜勤のオジサンのお話

自治体が運営する特別養護老人ホームで、夜勤のアルバイトをしているオジサンから聞いた話。

とにかく、しょっちゅう幽霊が出るらしい。

オジサンは元々かなりの霊感体質らしく、逆にちょっとしたポルターガイストや幽霊との遭遇にはすっかり慣れっこになったそう。

幽霊に出会った話などを聞けば、一日あっても語り尽くせないほど、たくさんのエピソードを持っている人物だ。

だけど、このお話は、そういう心霊体験とはちょっと違うお話です。

この老人ホームは30年以上前に建てられた施設で、夜勤は元々、看護師や介護職員の仕事だった。

10年ほど前、隣に病院施設が建てられてからは、老人ホームの職員が夜勤をする必要がなくなり、オジサンのような定年後のアルバイトが交代制で宿直をするようになった。

病院施設ができる前は、老人ホームで急死してしまう年寄りが度々いて、そのための霊安室もあったそう。

だけど、見回りして、施設の全てを知り尽くしているオジサンですら、その霊安室がどこにあったのか分からなかった。

あるとき、古くを知る役所のOBの元担当者と話をする機会があり、その霊安室のことを聞いてみた。

すると、答えはこうだった。

「病院施設ができたおかげで、霊安室は必要なくなった。かわりに、宿直室が必要になった。なので、実は今の宿直室が元々は霊安室だったんです」

宿直室にしょっちゅう幽霊が出る理由も、そこにあったらしい。

「どうりで、宿直室の冷房の効きがいいわけだ」と、オジサンは豪快に笑い飛ばした。

Concrete
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ショートショート系好きなので楽しみにしてます。

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