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短編2
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「穴掘り」の話しに因んでもう一つ体験した話をさせて頂きます。

S県の小さな町からF県に移り住んだ私達家族一家は、3年経った私が小学校2年生の時だった。

友達がオルガン教室に通っていていつも楽しそうに通うので、私も習いたくなり親にねだって通うことにした。

今の時代だったらちゃんとした音楽教室という所があるのだが、昔は寺の一角を借りて襖で仕切られた部屋にオルガンが置かれているだけだった。

それでも私も週2回通うことが楽しくなり、一端に弾けるようになった頃ふとお寺の中から外を眺めていると墓がズラリと並んでいた。

寺に墓があるのは当然だが、私には不思議な光景に見えていたのだった。

いつものように寺に来てオルガンを弾いていると、弾きながら墓のある方に目をやった。

そこには薄黄色のワンピに頭にはカチューシャを付けた私より年は5つくらい上の女の子が聴き入って笑顔を向けている。

帰り私も墓に行ってみようという気になり、友達と墓へ帰り寄った。

外はもう夕方で薄暗くなっていたが墓を目にすることは出来た。

ふと一つの墓を見ると墓の後ろの部分の石が欠けていて、初めて墓の中がどうなっているのか見ることが出来た。

その欠けた所に目を近づけると器に骨が入っている。当然といえば当然だ…

友達は怖くなったのか我先に自転車で帰ってしまったが、私はオルガンの楽譜で使わない所を破って骨一本取り出して持ち帰ってしまった。

「只今お母さん!私ね骨持って来たよ。」っと得意気に言うと

「あんた!またぁ?」と怒って言うなり、頭を拳骨された。

いったぁーい!と思いながらも母に連れられて寺へ

寺の住職さんに平謝りの母は「本当にバカな子ですいません」と言っている。

その次の週、オルガン教室は一身上の都合で辞められ閉鎖されることに…

ちぇっ!せっかく楽しかったのに!

と思いながら寺の前を通るも、いつかの薄黄色のワンピを着た女の子がニコニコした笑顔でお辞儀した。

私も釣られてお辞儀を返し、自宅へ帰る。

姉が「あんたねぇ、お母さん言ってたけど知ってんの?〇〇ちゃんが持って来た骨ね、家族の人は遠くに住んでてここ何年も墓参りに来てないんだってよ!」

その後よく話を聞いてみると、出稼ぎでその地を離れた家族は墓参りには帰省していたが段々と身内が少なくなり孫の代になると全くと言っていい程墓を見る人もいなかったということである。

私が骨を取っていったことで寺の住職は欠けた墓のこと気にして身内の人に連絡し綺麗に補修することになったということである。

そんな話を聞かされた私はオルガン教室が無くなったことといい、あの女の子といい何か関係あるのかなぁ?

っと思っても謎のままだ

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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