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短編2
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柚子風呂

彼氏もいない一人暮らしのOL生活で、いつしか私の楽しみはお風呂になっていた。自宅のバスタブに入浴剤や余った果実を入れて香りや色を楽しむのである。特に私が気に入っているのは柚子風呂である。

以前レモンで代用してみたが、やはり柚子には敵わない。あの独特な少しの苦みとまろやかな酸味、爽やかで新鮮な香りが感じられるのがたまらなく好きなのである。

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お風呂くらいしか楽しみがないような

職場と家の往復の生活でも、目標は見失ってはいけないと思っている。単調な毎日の中に、少しの刺激がある方がよほど人生を謳歌できるだろう。だから、私は「憧れ」を見つけるのだ。

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私には憧れの存在がいる。2個上の先輩だ。

彼女は何でも卒なくこなすし、なにより美しかった。彼女に勝てることといったら、肌くらいだろうか。私の肌は何故かどんなに夜更かししようとも肌荒れせず、白くしっとりとした肌質なのだ。一方先輩はいろいろ手を尽くしている様子だが、頰に小さなへこみがたくさんある。アバタ顔までいかないが、本人はそれをとても気にしていた。

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彼女は、サバサバした性格で、ときどきキツイ言葉を後輩に浴びせる。しかし、理にかなった言葉だから、後輩から反感を買うこともなかった。叱った後は、フォローもして、切り替えが早かった。長引かせる叱り方はしなかった。私はますます彼女を尊敬した。彼女は私の「憧れ」から「理想」になった。

「先輩、今日お仕事終わってご予定ありますかー?」

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私は柚子風呂に浸かる。

今日は大きい大きい、そして美しい顔をした柚子をバスタブに浮かべ、真紅の液体に身を染めた。

あの独特の苦味や酸味が感じられる…

爽やかで新鮮な香り…。

肩にお湯をかけると、肌が赤く染まった。しばらくすると乾いて、それが私の肌をより一層白く見えさせた。

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私は引越しの準備を済ませ、街を出た。

引越し先でも1ヶ月も経たぬうちに、単調な日々が繰り返される。少しの刺激は人間には必要だから、楽しみを続けなくちゃ。

次はどんな「憧れ」の人に出逢えるだろう。その人が醸し出す柚子の香りはどんなのかしら?私もその人みたいになれますように、と願いを込めて柚子風呂を探しにいくのだ。

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中世ヨーロッパってグロいの多いですよね…グロものもいけますよ〜!ただ、ビビりなので画像振動、怖い画像などの効果付きは読み進めるのがあんまりできなかったりします。笑

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