四年前、二十六歳だった俺はなんの変哲もない会社員だった。
しかし仕事のミスというかなんというかちょいとしたことで辞めることになった。
それから半年くらい引っ越しのバイトをして食い繋いできたんだが自分より年下の正社員による叱り、暴言、蹴りなどに耐えられなくなり死のうと決心する。
今思えば半端な決心だったと思う。
そう考えた俺は定番の樹海に行くことに決め缶詰め、水、ロープなどを持ち平日の午前に向かった。
ぶらぶらと中を徘徊してるうちに夕方になり辺りは暗くなってきた。
暫くは樹海の中ですごそうと思ってた俺は仰向けになりながら空を見ながら眠りについた。
夜中にふと目が覚めると星空がとても綺麗だった。しかし風の音や虫の声の中に今思えば人工的な音がまじっていた。
また眠りについた俺は鳥の声に起こされ朝の光を感じ二日目を迎えていた。
さらに奥へ奥へと俺は進む。ガキの頃の冒険心が蘇ったように奥へ。そこで二日目の夜を迎える。
寝袋に入った俺は歩き疲れたこともありあっさり深いねむりにつく。ふと目が覚めるとシャンシャンとまた音がしていたが場所が場所だけに納得してまた寝る。
夜が明け三日目に突入する。もう自殺とかどうでもよくなってた感じだった。その日もひたすら徘徊をし木々の間にひらけた広場をみつけそこで今日はここで寝るかと思い陣取った。
大自然の中に少しいたらなんか馬鹿らしくなり帰りたいと思うようになった。
生きたいと思ったら夜はそれなりに怖いものでその夜はなかなか寝付けないでいた。
またシャンシャンと音が聞こえ今度は足音までしやがる。
その時怖くなった俺は
「取り憑いてもいいからここから帰れて人並みの生活できるようにしろよくそが!!」
と叫んだ。やがて音が聞こえなくなりいつの間にか寝ていて朝を迎えていた。
帰りたい一身で真っ直ぐ歩いていたら夕方には閑散とした道路にでた。
それからは道路の端によって一晩こえたのちに交通機関があるところまで戻り帰宅した。
そして半年がたちロトで当たったわけだが自称霊感が強い友達の彼女とかには近づきたくない。あの人寒気がする。とか言われる。
街に立って下むいている坊主も顔を上げて俺の顔を見る始末。
実家に帰っても懐いていた愛犬のトニーも俺に向かって唸るようになった。
今ではまた適当に会社員やれていい経験したと思う。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話