私は人が苦手です。
人とは違う眼をているから…
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「棗!悪いんだけど今日の仕事が終わったら付き合ってよ。」
私がいつもの通り出勤すると、店長から声をかけられました。
基本的に店長からの要件はNoとは言えません。
今日は特に用事もなかったので、
「良いですよ…」
と、返事をして仕事にかかりました。
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店長との出会いは少し特殊です。
私が買い物をしている時に、突然…話しかけられて占い師としてスカウトされました。
今、考えると承諾した事は後悔で一杯ですが、その時は…少し嬉しかったのを覚えいます。
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店長は私とは違う種類ですが、特殊な眼の持ち主です。
その眼で私を見てスカウトしたとの事ですが、詳しくは教えてくれません…
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店長の突然の依頼はいつもの事です。
そして、現場に着くまで内容を教えてくれないのもいつもの事…
「で、店長…この家は駄目ですよ。」
「わかってるよ、そんな事…」
お前に見てほしいのは家の中だよ。
店長は家を見ながら呟きます。
「無理です。店長この家は本当に…」
「何かいるのか?」
新築であろう…綺麗な一軒家。
私には、家と認識が難しい位に靄がかかっている状態です。
「お前でも無理か?」
違います…私だから無理なんです…
恐怖で声もでません。
その為、首を縦にふり無理な事を必至にアピールします。
「10万…」
なんですか?それは…
「お前の報酬だ…私の依頼をこなしたらだがな…」
私の頭に…欲しいものリストが一斉に駆け巡ります。
「だが、今回は20万やる。」
税金無しの取っ払いで20万だよ…
店長が再び呟きます。
「…………………やります。」
私の理性と防衛本能が欲望に負けた瞬間でした。
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家に入ると身体が重い…
玄関からリビング、
和室、洋室など各部屋を巡ります。
寝室に入った時…
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部屋全体に猫の威嚇する声…
そして、猫の叫び声が響きわたり
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扉が真っ赤に染まります。
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寝室を出て浴室へ…
そして、玄関から外に出ました。
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思ったより時間がたっていたらしく、外は夜になっていました。
「棗…どうだった?」
私は…気づいた事を一つ一つ順番に説明していきます。
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玄関に入ってからの視線…
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リビングでの中年の男性の顔…
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和室にいた陽気な老女の姿…
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最後に家を出る時に中年の女性を含めた3人で怨みのこもった視線で見送られました。
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「で、一番気になった箇所は?」
1階の東の寝室…猫の声の部屋です。
「寝室の何処?」
「鏡の付いた化粧台の真下です。」
一番気持ち悪かったです。
そうか、ありがとな。
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店長には報酬の20万をその場でいただきました。
別れ際に、店長の言葉と行動には今も納得できません。
「棗、背中…気持ち悪くないか?」
真剣な声で聞いてきます。
正直に気持ち悪いです…と答えます。
そうか…
すー…
と、息を吸い込んだあと…
バシィ~!!!!
背中を強く殴られました。
「今日から3日休んでいいわ」
鬼のような邪悪な笑顔で去っていきました。
何故、殴られたのかはわかりません。
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3日の休みを利用して買い物をするつもりで計画してました…
が、高熱がでてしまい買い物は行けませんでした。
私は何か悪いことをしたんでしょうか?
作者まー-3
捕捉ですが、店長は今回の仕事で100万の報酬を得ています。
店長さんが太っ腹かどうかは皆さんの価値観にお任せします。
今後は店長さんも活躍していきます。
店長さんのジャイアンぶりに期待してください。