6月
雨が降り続くなか、
俺はじめじめとした空気が漂うバス停で
苛立ちながらバスを待っていた。
雨のせいで、バスが遅れているのだ。
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少々田舎のこの土地は、
公共の移動手段はバスくらいしかない。
そのくせちょっとした進学校があるから
学生がおおくていつもバスは混雑している。
なのでこの季節は本当に不便だ。
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予定の時刻を20分以上すぎたころ、
ようやくバスが到着した。
俺は悪態をつきながらバスに乗り込んだ。
案の定、沢山の人でバスのなかは込み合っていた。
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俺はなんとか降りる人と入れ替わる形で
座席に座ることができた。
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やっとゆっくりできるな。
今から一時間近くの乗車なので時間がある。
俺は何時の様に、
暇潰しで怖い話のサイトを開いた。
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画面をスクロールしていると
こんな怖い話が目についた。
「裏拍手」
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これいいじゃん。
俺はそれを読み始めることにした。
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ガタンっ
バスの大きな揺れで俺は目を覚ました。
やばい、乗り過ごしたか!?
と思ったが、まだ俺の降りるバス停までは
もう少し時間があった。
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よかった.....
俺は安堵のため息をついて
ぼちぼち降りる準備でもしようかと思った。
相変わらず、バスのなかは混んでいた。
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ふと、窓の外を見ると、
前の座席の人のスマホの画面が
窓ガラスに写っているのが見えた。
何気なく文面が目に入る。
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「そろそろやろうと思います。
今日は沢山の人を連れていけそうです。」
なんのことだろーな。。
ぼーっとした頭でそんなことを考えて、
俺は視線をそらした。
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......ん?
俺は違和感を覚えた。
そして、さっき読んだ怖い話を思い出した。
咄嗟に窓ガラスを見たが、もうスマホは
写ってはいなかった。
まさか......
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寝ぼけていただけかもしれない。
けれども俺は言い様のない恐怖を感じ、
慌てて降車ボタンを押した。
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俺の勘違いだよな。
去り行くバスを見送り
残りの帰路を歩きながらそう思った。
そうであってほしいと思った。
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「それでは次のニュースをお伝えします。
昨日、◯◯県××市で、バスが橋から転落し、
乗客乗員全員が死亡するという事故が発生しました。雨でスリップしたと考えられていますが、
直接的な原因は未だわかっていません。
即死を免れた人も、人の多さの為に圧死したと見られており.......」
作者戌神
お久しぶりの投稿です。
「裏拍手」をしらないかたは、
この機会に是非読んでみてください。
色々と内容が不謹慎、読みにくい、
理解しにくいところがあると思いますが、
どうか多めに見てください。。
意味がどうしてもわからなかったかたは
お声かけ下さい。
因みに、鏡は左右対象に映ります。