短編2
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中学校に入学し私は吹奏楽部に入部しました。

小学生の時の事がまるで嘘のように部活を始めると沢山友達が出来て充実した毎日を送っていました。

その日は顧問の先生が休みで楽器ごとで各教室に分かれ練習をしていました。

大抵顧問の先生が休みで各教室に分かれると練習にはならず談笑に変わってしまいます。

案の定私達の所も談笑で終わってしまいました。

少し早めに切り上げ楽器を片付けると一緒に帰る友達を待つためにいつもの待ち合わせ場所女子更衣室に向かいました。

一緒に帰る友達を待っている間当時とても仲の良かった友達Sちゃんと話をしたり宿題をしながら待っていました。ポツンポツンと待っていた友達も帰る身支度を整え女子更衣室に入ってきました。

後ふたりの友達を待つ間私達はまた話を始めました。その話題が何だったのかは覚えていませんがとにかく凄く盛り上がって騒いでいたのを覚えています。そんな中美人で男子からの人気もあったKさんが『シッ!!なんか聞こえる』と校内放送のスピーカーを指差し叫びました。

一気に私達の熱は冷めみんながスピーカーに注目をしました。

sound:5

『…ょ…ほ…ん…げ…う…』

何を話しているか分かりませんでしたが微かにスピーカーから男性の声が聞こえていました。

『誰かが放送室でいたずらしてるんじゃないの』

『放送委員会の人が残っているとか?』

『先生がやっているんだよ、きっと』

色んな意見が出ましたが半ば強引に放送室まで行くことになりました。

冬の18時。廊下は真っ暗で雰囲気はまるで肝試しみたいでした。ぞろぞろと約6人が放送室まで辿り着きました。

………放送室は真っ暗でした………

『戻ろうか』

私達はぞろぞろと女子更衣室に戻ってきました。

しかしそこには後ふたりの友達は居ずまた待つ事になりました。

『さっきの何だったんだろうね』

『不気味だね』

『まだ聞こえる?』

とても怖かったし気持ちも悪かったのですが姉御肌の頼れる友達Iちゃんがスピーカーの前に立ちました。私も息を潜めました。

『…まだ聞こえる…これ…

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shake

お経だよ…』

wallpaper:220

私達は耳を澄まし聞いてみると…

『南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経』

確実にさっきよりはっきりとお経が聞こえました。

もちろん“お経”と言われたことでそう聞こえてしまった集団心理のようなものなのかも知れませんが…その時は確実にお経に聞こえたのです。

sound:39

『キャ~~!!!』

友達のひとりが怖くなってしまったのか悲鳴を上げそれを皮切りに私達は女子更衣室を出て昇降口に走っていきました。

一体あの時のお経がなんだったのか?

未だに分かっていません。

そして後から来たふたりに怒られたことは言うまでもありません。

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