会社帰りの電車の窓から、いつも見えるダンス教室。いつも、何気なく眺めていた。
水曜はいつも電気が消えている。
土日はやっているのだろうか?
そう、思いながら、今日も素通りした。
時々窓からこっちを見ている人がいる。
目があった。
しかし、そんなことはどうでもいい。
明日も仕事だ。
ダンスとは無縁だ。
ダンス教室のある駅に着くと、何人か下車する。暇な主婦か肥満なサラリーマン。
勿論、ダンス教室目当てでは無いだろうが。
日ごとに、この駅で下車する人が増してきた。
いや、勘違いだ。
いつも、こんな感じだ。
いや、みんなダンスにはまってるのだ。
しかし、私は明日も仕事だ。ダンスとは無縁だ。
いや、明日は土曜で休みだ。
だから、家でゆっくりしよう。
いつの間にか、この駅に着くと車内は私一人になった。
みんなダンスにはまっているのだ。
そんなにいいか?
最近水曜でも電気がついてる。
この不景気の中、儲かっているな。
急にダンス教室の様子が気になった。
とりあえず、下車だけしよう。あくまでも下車だけ。
しばらく、駅のホームから様子を見てみよう。
しかし、一向に客は入ってこない。
いつものようにたった一人の女の人が窓からこっちを見ている。
目があった。
未だに客は入ってこない。
しばらくすると、教室の電気が消えた。
その教室の屋上に一人の女性が現れた。
さっき、いやいつも目が合うその人だ。
しばらくして、その女性はビルから飛び降りた。
落ちてる途中で、また目があった。
いや、そんな気がしただけだ。
もう、二度とこの駅に降りる事は無いだろう。
怖い話投稿:ホラーテラー くじらUFOさん
作者怖話