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中編5
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2週間前の話です。

細かい描写までしていくので長くなります。

私は今、25歳で会社員のごく普通の人間です

霊感もまったくありません

そんな私が実際に体験した話を投稿します。

ちなみに、これは現在進行形の話です。

私には2つ下の妻がいます

容姿端麗、家庭的で近所でも評判の妻です。

妻も同じく霊感はなく、ごく普通の美人。

私にはもったいないほどの…

私たちは今、都内のマンションで二人で生活しています。

二人には十分すぎるほどの広さで

買った当初は少し後悔しそうだなとは思いましたが

住んでみるととても心地よくて

頑張ってきてよかった、と思わせてくれる家でした。

しかし、おかしなことが起きていたのは私も妻も最初から気づいていました

ラップ音が凄まじいのです。

それもよくあるラップ音に混ざって 女性とも男性とも取れる喋り声が聞こえるのです

その声ははっきりとは聞き取れないのですが

一度だけ妻と寝室で寝ている時に

「食べる?食べる?」

とベッドの下から聞こえた時は付き合いたての頃のように抱き合って震えて寝ました。

他にも 冷蔵庫を閉める音が聞こえたり電気が勝手に付くのは当たり前になっていて

妻も慣れてしまったのか、勝手に付く電気に悪態をつく始末。

これではいけないと思いその筋の方々にも相談はしました。

しかし、何度説明しても 「あなたの家に幽霊などいませんよ」と言われるばかり。

じゃあこの現象や声は、何なのだろう。

そう思いながら過ごしていました。

ある日曜日、私は激務の疲れを取るために正午まで寝ていました。

目を覚ますと リビングから妻と誰かが喋る声が聞こえるのです。

まさか…と思い急いでリビングにいくと

そこには妻と ぴちぴちの若い女の子がいたのです。

その子は「おはよー!」と言いました

私は「おはよう」と返し、妻に「どなた?」と聞くと

「私のいもうと、忘れたの?」と言いました。

その子は「ひどくない?」とケラケラ笑っています

私はそのあまりの変貌に気付きませんでした。

私の知ってる妻の妹は とても大人しく 知的で礼儀正しい子でした。

しかし今、目の前にいる子は 髪は脱色していて カラコンを入れて

目の周りも黒く塗りつぶし

爪もギラギラになっています。気付くはずがありません。

私は、高校に入って新しい人生を見つけたのだろう、と納得することにしました。

「いらっしゃい、ゆっくりしていってね」と言うと

義妹は

「そのつもり!てか久しぶりだね!」と綺麗な顔で 綺麗な歯を見せクシャッと笑いました。

「そうか、久しぶりだな、高校は夏休みか?」

と聞くと

「そうそう!夏休み!それよりさ」

と相変わらず笑いながら話します。

そこで寝起きだということを思い出した私は

「ちょっと待ってて、風呂入ってくる」といい

お風呂に入りました。

さすがにお客さんの前でこんな格好ではいられません。

そして、お風呂から上がりリビングにいくと義妹の姿がありません。

ソファーでスマホをいじっている妻に聞くと

「私たちの寝室に行ったよ。色々見つかったら冷やかされるかな」と笑いました。

畜生、なんであんな冷静なんだ。と心で思い、急いで寝室にいくと、扉が開いていました。

あーしまった、と思い中を覗くと 義妹がベッドの下を覗いています。

そこには玩具や避妊道具などが収納されている引き出しがあります。

やばい!と思ったのと同時に、それらを見つけた瞬間 どんな顔をするのだろうか、と

止める気持ちと覗く義妹を覗くという気持ちが拮抗していました。

結果、このまま義妹の反応を見守ることにしました。

そしてベッドの下を覗く妹が手を伸ばし

何かを引っ張り出して来ました。

玩具か?避妊具か?とハラハラしていると

義妹が引っ張り出したのはどちらでもなく、

その手には大量の髪の毛の束が握られていました。

私は???になりました。

義妹はそれを見つめています。

そして、寝室を中心に起きている怪奇現象が頭に浮かび、やばいと思い

「おい!」と、怒鳴り寝室に入りました。

義妹は「わっ!びっくりした!大きい声出さないでよ!」と言いました。

私は「ごめん。それよりそれなに?」と聞くと

「わかんないなー、呪い系じゃん?」と言い

その髪の毛をゴミ箱に捨てまたベッドの下に手を伸ばし

「髪の毛なんてどうでもよくて、私が欲しいのはエロい系なんだよね」と言いました。

私は呆れながら「そんなものないからはやくリビングにいってろ」と言い、義妹の腕を掴み寝室から引っ張り出しました。

なんて日曜なんだ、と再び眠りにつこうとしましたが

いい匂いが漂ってきたのをきっかけに

ご飯を食べることにしました。

妻と私と義妹、義妹を娘に見立てて話を振ってみる。

「学校は楽しいか?」

「たのしいよ!それよりさ」

と、さっきも何か言いかけてたなと思い

「どうした?」と聞くと

「この家、すごいね!鉄壁だよ、鉄壁!」

と言いました。

私は訳が分からず「はあ?」と言うと

「あんなのと同棲してたら悪い幽霊なんか絶対に近付かないし、○○くんとお姉ちゃんが外に行ってもこの家は大丈夫だね!むしろ外歩いてるだけでみんな逃げてくよ!」と興奮しながら早口で喋りました。

私は話についていけず、妻の顔をみるとニコニコ笑いながら

「だろー?」と言っています。

私は妻に「どういうこと?」と聞くと妻は

「人に頼んでも解決してくれないから妹に来てもらったんだよ。昔から見えるみたいだし。ね?」

と、義妹に向き微笑みかけました。

義妹は うんうんと 首を縦に振っています。笑顔で。

「まあ、他にも色々聞きたいこともあるんだけど、なにがいるの?この家に。」

「神様だよ!」

私は目が点になりました。

そんな私をよそに義妹は喋り続けます。

「私も詳しくはわからないけどそんな感じがする!

幽霊ではないよ!ラップ音とか喋り声はあの子のだとおもうよ!」

「ちょっとまて。意味がわからん。なんでこの家に神がいるんだよ?それにあの髪の毛はなんなんだ?」と聞くと

「なんでいるのか、いつからいるのかはわからないけどこの家の守り神か、式神だね。○○くんの。あの子全然喋ってくれないからわからない!」

「式神?ってなに?」

「守護霊てきなのじゃないの?よくわかんない!」と笑いました。

「髪の毛はたぶん、呪い系のものだとおもうよ。○○くんに恨みがある人の。」

私は思い当たる節がないわけではありませんでした。

妻と結婚して一年ほど経った頃会社の部下に猛アプローチを受けていたのです。

その子はいわゆるメンヘラというもので

手首に包帯を巻いて出社してくることは多々ありました。

そんな部下を放っておけなくて一度、相談乗るから食事でもいこうか、と誘ったのがきっかけでした。

彼女は、私が浮気を望んでいる と勘違いをしてしまったのです。

そして、酒に酔って帰れそうにない、家まで送ってと言われ

送ることになりました。

長くなるのでつづきます。

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