「おい…見てくれよ!」
ある男?が嬉しいそうに語る…
「私の育てている箱庭なんだが、どのパターンにも当てはまらない変化をしているんだ!」
箱庭の中には闇の中に数えきれないほどの耀きと数千の生命鼓動を感じられる惑星が浮かんでいる。
その男?が嬉しいそうに指すのは1つの青い惑星だった…
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衝突と爆発が数万回、数億回と繰り返してきてできた赤い星。
それが膨大な時間を経過させた結果…青く美しい星に変化したらしい…
しかし、男が興奮する理由はそこではない。
なんと、青い星には生命が産まれたのだ!
微生物から植物が生まれ…水棲生物、そして陸上から空中まで…星の全体に生物が拡がっていった。
「凄いけど…珍しくはないんじゃない?稀だけどあるんじゃないの」
女?は不思議そうにたずねる。
「ここだよ…コイツらが面白いんだ」
男?が見せたがるのは星が生まれてから膨大な時間が経過した後…
この箱庭で人間と呼ばれる生物が産まれた後の時間を指差していた。
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鼠型の生物から猿へそして人へと進化する。
進化した人は力を失う替わりに知恵を持った…
知恵を持った人間は物凄いスピードで繁殖し星を支配していった。
「確かに凄いわね…ここ百年はこんな箱庭は見たことないわ」
女?は言う…
「だろ?だけど…凄いのか凄くないのか。
まあ、見てくれよ!」
男?は興奮しながら続きを見るように促す。
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繁栄を極めた人間は殺しあうのだ…
言語から肌の色…口喧嘩位でも殺しあう。
更には自分達の欲望を満たす為に星を汚して満たすのだ…
「これは…酷いわね」
女?は顔をしかめる。
「今までの箱庭だとゆっくり滅びに向かっていって次の世代に変わるのにね…」
これだと…次の世代は…
女?は独り言のように呟く。
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2回の大戦を経験して人は星を蝕みはじめる。
大きな集団がいくつも生まれ何をするのも纏まる事もできずに破滅へと向かっていく…
生存する為に必要な大気を汚す。
復元に必要な植物達を切り滅ぼしていくのだ…
欲望を抑える事もできずに急速に滅びに向かう。
生物全体を巻き添えにしながら…
「面白くないか?他の生物は個を無視してで全を生かそうとするのに、この人間という生物は個の欲望の為に全を殺そうとしているんだぞ…
こんなパターンは初めてだろ!」
男?は嬉しそうに語る…
「で…続きは?」
「昨日の記録はここまでだな」
「そうなんだ…確かに凄いわね。
だけど、この箱庭もうすぐ壊れるんじゃないの?」
「やっぱり…そう思うか?頑張ったんだけどな…」
…
…
…
…
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ある施設の一室にある数百の箱庭…
暗黒のみの箱庭…
星の耀きのみの箱庭…
命の耀きがある箱庭…
そのうちの一つ…青い星の生命の耀きに溢れる箱庭は…
数ヶ月後には赤い星に戻るのではないかと心配されている。
貴重な耀きを放つ箱庭は要注意の貼り紙をされてから記録をとられる事になったのである。
…
…
…
作者まー-3
勢いで書きました。
不快に思った方は申し訳ありません