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短編1
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卒業式の帰りに

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今日は高校生活最後の日。

卒業式だ。

朝から晴天に恵まれ

ぞろぞろと生徒達が校舎に入っていく。

楽しそうに駆け込む生徒もいれば

肩を落として寂しそうに教室へ向かう生徒もいる。

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3年間通った

いつもの風景

「今日で最後か」なんて思うと

ちょっぴり寂しい気持ちがした。

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そんな

ありきたりで

ごく普通の卒業式は始まり、

あっという間に式は終わった。

そして下校の時間がやってきた。

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一番仲の良かった友達と校舎を出る。

私が通った高校は

昼間だから目立たず

特に気にかけたこともないのだが

校舎正門の目の前に

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6畳くらいのスペースに

窮屈に並ぶお墓がある。

ふと、そこに目をやると

お墓の前には

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年増の女性が2人。

立ち話をしていた。

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下校する大勢の生徒と

お墓の前で会話している女性2人の空間に

私は奇妙な違和感を覚えた。

友達と一緒に

その女性の近くに寄って

話している会話に耳を立ててみた。

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女1「もう来るわ」

女2「何処にいるのかしら」

女1「あの子じゃないわね」

女2「あの子でもないわね」

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誰か知り合いでも探しているのかな?

いや、たぶんそうじゃない。

思い切って女性の至近距離に

近づくと一人の女性と私の目があった。

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女1「あなたは、まだ大丈夫だよ」

女2「長生きできるわ」

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私は友達の手を思いっきり掴み

全速力で走って校舎を後にした。

Concrete
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