短編2
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でんわにでたひと。

茨城県O市────

これは僕が実際に体験した話です。

music:2

9月下旬。

夏が終わったとはいえ、まだ残暑が残り虫も鳴いている頃。

ある日僕は、テストがある為友達に勉強を教えてもらいに行っていました。

これは家に帰って来た時に体験した話です。

友達の家から帰って来た僕は、いつも通り自転車を止め、そのまま家に入ろうとしました。

しかし鍵は空いておらず、窓の中を除いてみると電気もついていません。

しまった。鍵を持ってくるのを忘れてた。

しかし外出する前に親から弟が家にいると聞かされていました。

sound:16

だけどインターホンをいくら鳴らしても弟は出てこず、僕は次第にイライラし始めていました。

sound:14

寝てるのか?

そう思った僕はとりあえず、弟にLINEをしてみる事にしました。

「おい。開けろ。いるんだろ?」

送信。

しかし10分くらい待っても既読されませんでした。

「仕方ない。家の電話にかけてみるか。」

ダメ元ではありましたが、もしかしたら起きるかもしれないと思い、自宅の固定電話にかけてみることにしました。

その固定電話は窓からすぐ近くにあり、もし弟が電話に出るとすれば、すぐにわかる状態でした。

プルルル────

この電話は、現在使われておりません。

sound:22

「?」

おかしいな…。

何か不具合でもあったのかと思い、また僕は電話をかけました。

プルルル────

目の前の固定電話は光り、そして着信音が鳴ります。

…やっぱり出ないか。いないのかな?

窓から除いても弟が来る様子はありません。

諦めて親が帰ってくるのを待つか。

そう思った瞬間でした。

プッ────

「ん?」

music:3

画面の中心部に、通話時間が表示されました。

「ん?(弟)?」

呼びかけても返事は無し。

「おい開けろよ。蚊に刺されちまうだろ!」

「…ぁ」

music:6

その時、か細い男性の声が聞こえました。

はっきりと。

か細かったものの、はっきり聞こえました。

それは確実に、弟の声ではありませんでした。

「…え。誰」

慌てて、窓の中をみると────

そこには誰もいませんでした。

僕は怖くなり、慌ててその場を離れました。

そして親に電話をかけました。

「ごめんごめんw 鍵渡すの忘れてたわw」

その電話に出たのは親ではなく、弟でした。

弟は親と一緒に出かけていたのです。

じゃあ、

家の電話に出たのは一体────

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