あるところに、お金持ちで、お城のような家に住む幸せな夫婦がいました。
ある時、その夫婦のもとにひげを生やした男が訪ねてきて、
「さらわれた姫を助けにきた」
と言い、奥さんを連れ去ろうとしました。
その時は夫も家におり、追い払ったのですが、それでも何度もそのひげの男はやってきます。
どうやら、奥さんを自分の婚約者だと思い込み、婚約者をさらわれたという妄想から抜け出せずに、ついに行動に移してしまったようです。
怖くなった夫婦は、ガードマンを何人も雇い、家の周辺を守らせました。
しかし、そのひげの男はそのガードマンたちを雑魚のように次々殺していき、ついには夫をも殺してしまい、奥さんのもとにたどり着きました。
そして、
「さらわれた姫を助け出したぞ」
そのヒゲの男は、「M」と書かれた赤い帽子に赤いシャツ、オーバーオールという格好でそう叫び続けていたそうです。
怖い話投稿:ホラーテラー 布さん
作者怖話