大きな部屋にベッドとテレビと時計…
そして、ボタンが1つ…
これが、私の世界…
テレビに映るのは同じような部屋…
毎日、9時と13時と19時…テレビの画面が30分だけ映っている…
私の世界で起こる変化はこれだけだ…
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お腹が空いた。
テレビがついたらボタンを押す…
そうすると、穴から食事が出てくる。
テレビがついていないとボタンを押しても意味がない。
テレビがついたらボタンを押す…
お腹がいっぱいになる…
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今日もテレビがついたからボタンを押す…
テレビの画面には大きな部屋…そして、小さな子猫が歩いていた。
凄く珍しい光景…
初めて見る光景…
あっという間に時間は過ぎてテレビは消えてしまう。
あわててボタンを押したが何も起きない。
お腹がすいた…
13時…再びテレビがついた…
今度は子犬が2匹遊んでいる…
私は食い入るように画面を見つめていた…
テレビが消えてボタンを押す事を忘れた事を後悔した…
お腹が空いた…
19時…画面は部屋のみ映っている…
ボタンを押すと食事がでてきた…
お腹いっぱいだ…
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何日かたった…
画面には老猫が映っている…
お腹が空いたからボタンを押した…
画面の中が煙でいっぱいになって消えてしまった。
食事をしながら疑問に思う。
あれはなんだったんだろうか?
13時…画像には老犬が…
ボタンを押すと煙がたちこめて画面は真っ暗…
食事がでてくる…
老猫や老犬はどうなったんだろう?
19時…老猫・老犬が寝ている画像が映される。
画像が口元に近寄っていく…
泡を吐いているが大丈夫だろうか?
画面が消えて食事が取れない事に後悔する…
何が起ころとボタンを押さないと飢えてしまう…
ボタンを押す…
ボタンを押す…
飢えない為に…
生きる為に…ボタンを押さないと…
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食事をする為に…ボタンを押す。
生きる為に…ボタンを押す。
子犬がでてもボタンを押した…
子猫がでてもボタンを押した…
必要だからボタンを押した…
いくら可愛い生き物が動かなくなっても…
ボタンを押す…
生きる為に…
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朝の9時…
画面が映される。
いつも通り…
映っているのは画面を食い入るように見ている男…
私はいつものようにボタンを押す…
食事をする為に…
生きる為に…
画面の中は煙に包まれいく…
ボタン押す…
押す…
押す…
押す…
生きるた・め・に…
…
…
…
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私の世界は2つの部屋と2匹の猫そして3匹の犬…
私達は生きる為に…
作者まー-3
最初はパブロフの犬とシュレディンガーの猫を題材に書こうと思った作品…
でも書けたのは違うもの…
文才の無さが凄い…
困ったもんだ。