中編3
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十三本の針

皆さんは十三本の針というのはご存知ですか?

私はやったことが無いのですが、二十歳だった自分に私の友人が行った体験です。

当時M子には恋人がいた

恋は盲目といった感じで、相手の男は虫も殺せないだろうという如何にも頭が良さそうでハーフ系?といったとても優しい恋人だった

一年以上は付き合っていたんだと思う

M子が21歳を迎えようとしていた頃、妊娠が発覚した

お互い結婚の話しも出ていたそうであるが、私もてっきり二人は結婚するものばかりと思っていた

しかし彼の方から子供を堕胎するよう促されが、M子は頑固として拒否していた

困った彼はM子を騙して産婦人科へ連れていったのだ

予め病院には連絡しておいた様子で、その日嫌がるM子にケタラールという麻酔薬を射たれそのまま手術ということになってしまったのだ

麻酔から醒めても、嘘か現実か判らないほどボーッとしたまま自宅に送られた

次の日に堕胎したことをはっきりと認識し、怒りで彼に電話するが一向に出る気配はない

昼夜問わず連絡を入れるが、それを期に全く彼からの連絡も無い

彼は独り暮らしだったのでアパートにも訪ねるが、居る様子もない

たまりかねたM子は彼の会社の上司の所へ訪ねて行ったのだ

彼の上司からは意外な言葉が放たれた

「〇〇君はね、この間台風があった日の次の日に婚約者だと言って今秋結婚が決まったと二人で会社に挨拶に来たんだよ」

その言葉にM子の頭の中は真っ白になってしまった

どういうことなの?

「彼にとにかく合わせて下さい」っと彼女は詰め寄る

上司は何事かと思い彼を呼び出す

M子な何を思ったか、会社の社長も呼んでくれと頼む

彼を交えて彼の会社の社長と上司の間で話を切り出し、M子はどうなってめ構わないという勢いで今までのことをぶちまけて話をした

しかし彼からの出た言葉は「だから僕は何回も別れようと言っていたじゃないか!」と言った言葉にM子は返す言葉はが見つからなかったのだ

私が覚えている限りでは、ある時M子の方から別れようと話を切り出したが泣きついて来て別れないでほしいと言って来たのは彼の方だった

M子は私の家に来ていたので、彼が追って来て話していた内容は知っている

怒りが込み上げて来たM子は彼の会社を後にし、自宅に帰ってある行動に出たのだ

昔その当時は十三本の針の呪いというのが流行っていて、しかしその呪いをやったら自分にも返ってくるというのだ

人を呪わば穴ふたつ

っという言葉があるように

その十三本の針というのは私も随分昔のことだからはっきりと手順は覚えてないが、所々覚えているのは藁で作った人形に松ヤニを付ける

その後100回だったか相手の呪いたい名前を人形に向かって唱えるのだが…

彼女はなぜかその人形に彼の顔写真を貼り付けたのだ

その場は絶対に他の人には見られてはいけない

彼女はありったけの呪いを込めて十三本用意した針を人形に向かって一本づつ藁人形、彼の写真に向かって打ち付けていったのだ

この呪いの話しは十三本打ち終わるとと同時に自分にも呪いが降りかかるのだが、M子には何も起きなかった

しかし彼の方はというと、その後婚約者とは結婚が破談となり、彼の両親が彼のことを思ってか県外の遠い親戚の方へ預けたらしい

勿論仕事も辞めていたのだった

彼に何が起きたのだろうか?

しかしM子には何も起きていない

今では人が羨むほど幸せな家庭を築いており、この不景気の中は彼女は会社も興してワンマンに仕事をこなしている

子供も二人恵まれているだが…

彼の消息は誰も分からない

その当時のことは思い出した頃にお互い話をするのだが、彼女は「もう昔のことだわ、それに彼がどうなったか、何処に居るのかなんて全然分かんないしね」っとニッコリと笑う

本当はどういう呪いだったんだろうと思うこの頃です

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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