うちの飼い猫は、うちに来る前は産まれたばかりで
会社のそばに放置されていた。母親が来るのを待ったが、日がくれて寒くなってきたので家に連れて帰った。猫用ミルクをやり、猫用毛布や湯タンポを使い暖をとり、夜中に何回も起きてミルクをやって湯タンポのお湯をかえたりしましたが、弱っていたせいか、急に痙攣したり呼吸がおかしくなったりで、大変だったのを覚えています。
それから3年がたち、とても美猫に育ちました。
凄く元気だった猫なのに突然死しました。
猫が死ぬ1週間前に話は遡ります。
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7日前。。。
今思えば、子供達が家の中で知らない女の人がいると、言い初めたのが始まりだったのかもしれません。妻も私も寝ぼけたんじゃないか?と聞く耳を持ちませんでした。
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6日前。。。
妻が化粧中に鏡に無数の指紋が浮き出てきたと騒ぎだす。
子供達が金縛りにあいだし複数の透けた人のような何かを見たと怖がりだした。夜になると突然CDラジカセが大音量でなったり、テレビがついたり子供の防犯ブザーがなったりとかなり異変が起こり初めました。夜寝るのが怖いと明日から妻の姉夫婦の所
に
お世話になることが決まりました。
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5日前。。。
私は、仕事が終わり、妻と子供達が居ない部屋に、帰りました。猫がいるので全員が居なくなるわけにはいかなかったので凄く嫌でしたが父親なので仕方なく家に残りました。
家に帰ると猫が私の肩に飛び乗ってきて酷く怯えているように感じました。尻尾を自分の足の間にまるめしがみついてるようでした。リビングに入ると、異常な寒気と違和感。気が付くまでにかなり時間がかかりましたが、風呂を出て鏡を見たときに、わかりました。
部屋にある鏡が合わせ鏡のように向きが変わっていたのです。リビングには化粧用、子供達がコンタクトレンズを入れるようと姿見と壁掛けの4つの鏡があるのですが2つずつ合わせ鏡になっていた。そして部屋の中心に向いていた。何を意味するのかわからないが、兎に角嫌な感じしかしなかった。その日の夜ラジカセやテレビがなることは無かったが、寝ているときに猫の唸り声で起きたのだが、回りに複数の人のような声が聞こえた。
何を言っているのか聞き取れなかったが確かに話をしていた。そこで記憶が途切れて朝を迎えた。
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4日前。。。。
この日は仕事で兎に角トラブル続きで夜中になりそうだったので子供に猫の餌やりとトイレ掃除をお願いした。子供から異常に寒かったんだけどとラインが来ていた。仕事が終わって帰ると、車で四時間以上かかる会社の支店に4㌧のトラックを届けて、会社の自家用車で戻って来て欲しいと頼まれたので、猫を迎えに行ってドライブしてきました。家に帰ると日は当たってるのに凄く寒い感じがした。
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3日前。。。
ここからは地獄のような日々だったのを覚えている。寝れば金縛り。手足には掴まれたようなあと。起きたときの脱力感。常に見張られているような気配。これ以上は身が持たないと恐怖を感じ、猫を知り合いに預けて姉夫婦(娘さんが猫アレルギーの為猫は連れていけなかった)の所に行くことを決めた。
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2日前。。。
いつもは作業着なのだがその日はスーツ着用の為家に帰りました。クロゼットを開けスーツに手をかけると、奥から無数の手が出て来て私の手をつかもうとしました。咄嗟に手を引きましたが尻餅をついた。その時クロゼットの中から這い出てくる髪の長い女。そして直接頭に響いてるような、甲高い笑い声。そしてドンっという音のあと
『死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね』
と直接頭の中に響いてきた。
這いつくばりながら何とか部屋から脱出出来たが脱力感が酷く車の中で暫く動けなかった。
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1日前。。。
昼間は仕事でした。夕方、子供達が家に物取りに行きたいから一緒に来てと言われたので一緒に行く事になった。
忘れ物をとって子供達がリビングを出て私が続き電気を消してドアを閉めようとした瞬間手を引っ張られ中に引き込まれました。
すると電気がついたり消えたりし出して、明かりがつくと人のようのなにかが、電気がつくたびに1人、2人と増えていった。
気がつけば囲まれていた。カゴメカゴメのような感じになり段々円が狭まってきたその人のような何かは何かを言っていた。
リビングのドアの前では子供達の泣き声が聞こえていた。
近づくに連れて、また
『死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね』
と聞こえて最後に耳元で
『お前も死ね』
と聞こえて霧が晴れるように居なくなった。
そして子供達を連れて姉夫婦の家に向かった。
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当日。。。
夜、猫を預けた友達から猫が死んでると連絡がきた。友達の家に車で向かっていた。大きな交差点に差し掛かった。信号は黄色。勿論急いでいたがブレーキを踏もうとした。その時
自分の足を掴む無数の手。
アクセルから脚が離せない。
スピードはあがって行く。
回りの景色が、スローになる。
意識がはっきりしているなかで
こんな死に方すんのか~。
相手の人に怪我させたくないな~。
なんて考えていた。
目の前には黒い車が。。
もう避けられない。
手は動く。
相手の進行方向とは逆にハンドルを切る。だが間にあわず後部に接触。相手の車は後部に当たった衝撃で逆を向き止まった。私の車は縁石に乗り上げ車は横転。そして電柱に当たり止まった。
幸いな事に相手の方は車以外は無傷でした。
私のほうも車は廃車でしたが擦り傷と打撲程度で、助かりました。
その時相手の方が私が車から出るのを手伝ってくれたのですが、私の足を沢山の手がつかんでるのを見て凄く驚いていたのが印象的でした。
こうして嵐のような1週間が過ぎ、姉夫婦のとこでお世話になり新しい住居に引っ越しました。その後は至って普通の生活を送っております。
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なぜ猫の死と題をつけたかは
横転した車のなかに、死んだはずの猫が
私の膝の上で沢山の手に向かって唸っていたんです。その頃には死んでいたはずなのに。恩返しのつもりだったのかな~なんて思ったのでこの題名にしました。
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作者カガミ
猫の死と私が無傷だったことが無関係にはどうしても思えなくて書きました。