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短編2
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1月

その日は

部屋中お線香くさかった

私は空気の籠もった感じが嫌で

冬でも、窓開けっ放しでした

窓の向こうには

家の隣に在る墓地が見える

「今日は

誰かが、お墓参りに来てたのかな」

と思った

それにしても

スゴい線香の匂い....

あんまり臭いので

窓は閉める事にした

しばらくして

眠くなった私は

ベッドに横になってた

ぼーっとしてると

金縛りにあった

金縛りは、いつもの事だったので

気にせず、ぼけーっとしてると

モサッ

スネの辺りに何かが

当たった....

感触からして、人の髪の毛だ

足元でシーツがシュルシュルいっている

誰か、私の足元に居るらしい....

窓を閉めてるはずが

お線香の匂いは

更に強くなった

『....』

足元で、声が聞こえた様な気がした

首も動かなかったので

目だけを動かして

恐る恐る、足元を見てみた

真っ赤な着物が見えた

髪の長い女だ

足元でグルグルグルグル

這いずり回っている

何をしてるんだろう....

『....』

女は、何か言っていた

でも何を言ってるのか

わからない

這いずり回りながら

腕でシーツを撫で回す様に

不思議な動きをしていた

私の首が動くようになったので

覗き込む様にして

足元を見てみた

すると突然はっきり

女の声が聞こえた

『羨ましい....

羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい....』

いつの間にか

足元の女は消えていった

不思議と怖くなかった

只、少しだけ悲しい様な気持ちになった

母に話をすると

何故か母は涙ぐんで

こう言った

「可哀想に....

もうすぐ成人式だから

きっと、その子も成人式に出たかっただろうにね....。」

その言葉を聞いて

女の姿を思い出した

女の顔や体は

所々なくなっていて

血の様なものが滴っていた

事故にでも

遭ったのだろうか

本当に成人式に

出たかった霊だったんだろうか

あの不思議な動きは

無くした体の一部を探してる姿だったのかもしれない。

怖い話投稿:ホラーテラー マヲさん  

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