中編3
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こっくりさん【前半】

 この話は現実にあったことです。

長い上に、ところどころ文章が滅茶苦茶かもしれません。

微妙に長かったため、前半と後半に分かれています。

それでも読んで下さる方はどうぞ読んで下さい。

 小学校の時も中学校の時も、「こっくりさん」等は全て禁止されていました。

なんで禁止されているのか。そんな事はしっかりと分かっています。唯単に本当に危ないことだから。

だけれど、駄目だと言われるとよけいにやりたくなってしまうのが普通。

小学生の時も中学生の時も、先生に隠れてやる人たちが絶対にいたんです。

いつも必ずそういうものが流行ってた時がありました。

僕も怖がりな癖にそういうのにはいつも参加していましたし。怖いもの見たさってヤツですかね。

 小学生の時は、他の学校の子が「こっくりさん」をやって吐血して病院送りになったとか…

「こっくりさん」の紙を破ってトイレに流したはずなのに、元通りになって机の中に入ってたとか……

やってる最中に教室の電気が付いたり消えたりを繰り返したとか………

そのような話しか、聞きませんでした。しかも全部他の学校の事なので、どうも現実味が無い。

だから信じませんでしたけどね。

それが流行ってた時、僕も4・5回は「こっくりさん」をやるのにに参加しましたが、1回もそのような現象には会いませんでした。

1・2ヶ月もすると大抵ブームは去って、会話にその話が出ることも無くなります。

僕もいつの間にかすっかり「こっくりさん」の事は忘れていました。

確か、それは小学3・4年の頃の事だったと思います。

 中学生の時、最初に「こっくりさん」が流行ったのは僕が2年生の冬。

この時は本当に一部の人だけの間で流行っていました。

特に僕の所属していた美術部では頻繁にこの話が出ていたのでは無いのでしょうか。

ある時、部長が部員を3・4人ほど集めて部室近くの女子トイレの前で「こっくりさん」を始めました。

部室は先生達のいる管理棟やほかの部活の人たちがあまりこない場所にあったので、誰かに見られる可能性はほとんど0。

廊下の窓を全て全開にして、騒ぎながらやっていました。

僕はそれに参加はしていなかったので、部室で絵を描いていましたが…

10分ほど経った時、ぷつりと騒ぐ声が聞こえなくなったんです。

どうしたんだろうと思い、様子を見に行くと参加していた全員がぐったりとしていました。

気のせいか、どうも空気が重い気がしましたし…多少気持ち悪かったです。

部活内で一番霊感の強い部長が、顔面蒼白で僕に何があったか教えてくれました。

「最初は何も無かったけれど、少ししてから10円玉が勝手に動き出して…

「あなたは誰ですか?」って聞いたら「火事で死んだ男」って。

だんだん空気が重くなってくるし、もう気持ち悪くてしょうがないの……

それに、なんだか誰かに見られてる気がするし…」

大して霊感など無いであろう僕も、なんとなくその場の雰囲気が分かるくらいでしたから…

本当のことだったんでしょう。

その後すぐに、「こっくりさん」を止めて逃げるように急いで全員帰宅。

 でも誰が喋ったのか、次の日から学校中がその話で持ちきりでした。

勿論先生にもそのことが伝わってしまい、美術部員は全員こっ酷く叱られました。

生徒集会まで開かれて、全校生徒に「こっくりさん」等は絶対にやるなとの注意も…

その後はしばらく、その話が出ることは無かったです。

怖い話投稿:ホラーテラー 国巳さん  

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