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中編3
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狂い声

こんにちは。怖い話を投稿できると聞いたので、お話をしようと思います。早く載せてしまいたいので効果音などはつけません。

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私の友人Aの話です

Aは元々、田舎で実家暮らしをしていました。でも23歳の時、上京して来ました。ドラマや映画で田舎から上京してくる主人公が可愛い女の子と出会って‥。なんていういい事があったりするのかなとドキドキしていました。ひとまず1週間はAの父の弟、Aの叔父の家に泊まりました。まだ引越し先を見つけていなかった僕は安くて駅近の物件を探していました。

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ある日、Aが物件を調べていると、格安物件が出てきました。バイトを始めてもこの家賃なら払えるだろうと思い、Aは格安アパートを借りました。とは言っても訳あり物件かもしれないので調べましたが訳ありではありませんでした。

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それから1ヶ月後、Aは前から憧れていた美容師のアルバイトを始めました。今でも調べれば出てくるかもしれないので某アパートとします。Aがアパートに暮らし始めてから2週間が経ちました。これといって嫌な事が起きるなどはなかったようです。ある事を除いては。

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毎晩、夜10時になると外から狂った声が聞こえてくるようです。怖かったのでAは窓から覗いたりするようなことはしなかったようです。他の住人と時間が180度違うようで周りの住人が仕事に行っている時はAは寝ており他の住人が帰ってきた時はAは仕事に行っていました。なのでその夜聞こえる声の話はしなかったようです。

しかし仕事でも仲の良かった僕には話してくれました。毎晩、10時になると狂った声が聞こえてくると。僕は興味本位でAの家に泊まりたいと頼みました。それがそもそもの間違いであり僕が一生背負って行かなければならない十字架となりました。

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休日で仕事もなかったので僕はAの家に遊びに行きました。夕方から8時まで酒を飲んでいました。飲み過ぎて僕とAは寝てしまいました。スマホの通知で僕は起きました。時計をみると9時半になるところでした。僕はAを起こしあの声を待っていました。

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10時になりました。外から声が聞こえてきました。Aはあの声だとつぶやいていました。

どうやら女性の声のようでした。僕はあきらかにこの世のものではないと思いました。Aに覗いてみようと提案しましたが危ないからやめろよと反対されました。僕はAがトイレに行ったのを見計らってこっそりベランダに向かいました。体勢を低くして見てみるとよく映画に出てきそうないかにもというような黒髪の長髪の女でした。おもわず叫びそうになりました。

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するとAがトイレから帰ってきて覗いている僕をみて何やってんだよ!と怒鳴りました。僕はあの女が僕達の存在に気がついたら取り返しのつかないことになる気がしました。もう一度体勢を治してから外をみると女は消えていました。Aに消えていると言うとふるえながらこんなに早く消えることなんてなかったと目を見開いて言いました。

Aのあきらかにおかしな様子をみて僕はAを僕の家に泊めました。次の日、起きるとテーブルの上に「泊めてくれてありがとう。また後で」という置き手紙が残されていました。仕事の時に謝ろうと思いもう1度寝なおしました。しかし仕事の時間になってもAは来ませんでした。無断欠勤なんてした事がないので仕事仲間は不思議がっていました。

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そこから1ヶ月、僕はAの姿を見ていません。少し気が引けましたが、僕はAのアパートに向かいました。すると大家らしき老人が出てきたのでAのことを尋ねると「Aさんなら3週間前出て行ったよ」と言われました。

詳しく聞くと僕が泊まりに行った次の日の夜から毎晩10時になるとAの部屋から叫び声が聞こえてくるようになったそうです。それから1週間後にAの両親らしき人たちがやって来てその人たちと大きなワゴン車に乗って行ったそうです。そこには"精神科"の文字があったそうです。

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僕はAの人生をたった1日で、興味本位の行いで壊してしまいました。

あの女のが何だったのかは結局わかりません。しかしAとその女が関わっていることは変わりないと思いました。

僕はこの過ちを一緒、死ぬまで背負っていくのでしょう。

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