先程から
沙羅はグラスに片手を入れながら
細かい泡に包まれて
浮いては沈む目玉のダンスを楽しんでいる
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いくつものデザインのグラスには
赤い液体が入れられたものや 紫に 焦げ茶
色も濃さも様々に テーブルに並べられて行く
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黒猫は
構ってくれない飼い主の肩にのり
甘えるように頬に擦り寄り、耳たぶを甘噛みする
「伽羅、後でねもう少しでできるから」
「うん、にゃっ」
音も立てずテーブルに降りて目玉と遊ぶ沙羅の横に
寝そべった。
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沙羅は 後ろ足で立つように
今度はゾンビグラスに両手を入れて目玉をつかみ取ろうとしている
「沙羅 お目目壊れちゃうから、駄目よ」
女は、黒猫を抱き上げるとテーブルから降ろすが
黒猫はまた身軽に飛び乗る
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とろっとしたゼラチン質の妙に赤い目玉が
ブルーの海の様な液体に落とされる。
「ぽちゃんっ」
テーブルに寝そべる伽羅は
気だるそうに音のした
背の高いシャンパングラスを眺めている
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沙羅は 海の中の泡に包まれ落ちて行く
赤い目玉に走り寄る
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この子は 目玉がお気に入りの様
「食べる?沙羅?」
そう言いながら、
ソーナー型シャンパングラスに
注がれたフローズン アイが
冷たい視線をこちらに向ける
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「これはインスタ映えしますよねっ?」
2匹の黒猫の前 女は携帯を構えて画像を撮る
耳たぶに甘噛みする伽羅を膝に抱いて椅子に座った。
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「では、試食ね」
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薄赤く、雪に埋もれた何かを思い起こさせるフローズンアイに 口付ける様に「ちゅるんっ」と音を立てて赤い視線を飲み込んだ。
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「うんっ!うっまぁ〜♪」
女はそう言うと2匹のために
小皿に目玉を取りわけた
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膝の上の黒猫はくんくん匂いを嗅いでいたが、
やがて身を乗り出す様にして美味しそうに舐めた。
スプーンでぐしゃっと片目を潰して
「ほら 甘えん坊さん」
ゴロゴロと甘える猫の口元に運ぶ
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沙羅は、もう一つの目玉を
小皿の上でも転がしながらかじっている
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「美味しい?あなたたちのはミルク味だからね」
そう言うと
目玉から飛び散った様にストロベリーソースがかかった特製のフローズンパフェをスプーンで頬張る
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とろりと滴り落ちる
カルピスゼリーの白目はブルーの瞳に絡みついたストロベリーソースの赤い色がよく映える
ところどころ脂肪のようなカスタードクリームは
さらなるリアルさが加わり悪趣味だ
アロマキャンドルの炎は
昼間の部屋とは違う雰囲気を醸し出す
Eyeに満たされた部屋で
炎に揺れる
2匹の黒猫とシルエット
唇の端から
赤いソースが溢れる
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大きなウィスキーグラスには
ミミズゼリーが蠢く様に
次の出番を待っている
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色とりどりの目玉を浮かべて...
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ご用心
愛を込めた想いの時間を
貴方の為に
包み込むお弁当に 仕掛けたら?
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気まぐれに
1人上手の舞台裏公開して行きます
色々な視点で感じてくださればうれしぃよぉ〜♪
後悔しても 後の祭り?かな...
作者benihime
魔女のレシピなんぞもあげていこうっかな〜?
ちょいと不思議な占い師の1人上手の 舞台裏です。
読んでいただけて
ありがとうございます。