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中編3
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深夜の電話

そんなに怖い話じゃないし特別オチがある訳でもないけど

ふと思い出したんで

10年くらい前、私が小学生3年生くらいの頃の話。

当時、母と父と私で同じ部屋で寝てました。

父と母に挟まれて私は真ん中で川の字になって。

みんなで同じ時間に布団に入って父と母はすぐ寝てしまいます。

当時の私はメチャクチャビビりで、起きてるのが1人だと不安になる時がよくあり、

「お母さん、もう寝たの?」なんてわざと聞いてよく母を起こしてました。

「んー起きてるよー」なんて眠そうな声を聞くと安心して寝れました。

ある日いつもみたいに私だけ眠れない時、「おかあさん起きてる?」って呼びかけても返事がありません。

『あー今日は寝ちゃったのか...』

寝室から見えるリビングの時計を見ると12時を過ぎてました。

前にテレビか何かで12時過ぎてから、幽霊は活発になる的なことを言っていたのを思い出してしまいました。

『どうしようお母さん寝ちゃったし怖いよ...』

マジでビビリだったので、布団を頭まで被り眠くなるのを待ちました。

しばらくするとリビングの方から微かに

ピピピ..ピ..ピピピッ.............プゥープゥー...

聞き覚えのある、電話をかけるときにする音が聞こえてきたんです。

私は咄嗟に布団から顔を出して母と父がいるか確かめました。

2人は静かに寝ていました。

『えっじゃあさっきの電話の音は何だったろう』

『聞き間違えかな...?』

なんて思っていると、また

ピピピ..ピ..ピピピッ.............プゥープゥー...

とあの音が

リビングの方に目を向けるとテーブルの上に置いてある子機が見えました。リビングにはもちろん誰もいません。

『電話機を充電器に戻さなくて充電がなくなりそうだから鳴ってるのかな?』なんて妙にその時だけ冷静に考えることができました。

その後も

ピピピピ.....プゥープゥー....

ピピ......ピピピ....ピッ....プゥープゥー

電話に番号を打ち込み、発信を押し、電話が切れる音がひっきりなしに続きました。

毎回、番号を打つ音のリズムが変わっているし

切れたプゥープゥーの音の後、すぐさま番号を打ち始める音がして来たりと

充電の警告音では無いと気づき始めました。

また急に怖くなり頭まで布団を被り音が止むのを待ってました。

ものすごい長く感じる夜でした。

ピピピ...ピ...ピピップゥープゥー.................

...............................

『えっ鳴り止んだ?』

そう思い、恐る恐るリビングの方に目を向けると

薄暗かったリビングが少しだけ明るくなっていました。

朝になっていたんです。

私はホッとして気絶するように寝てしまいました。

翌朝というかお昼頃起きて母に

「ねぇ昨日テーブルの上の電話から音がしてて怖かったよ」っていったら

母が「電話なら充電器にあったよ?」って

一体何だったんだろうって

今思い返してみても夢だったのか現実だったのか

Concrete
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