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中編3
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金縛りの果てに

私は中学生ぐらいから、ちょくちょく金縛りにかかるようになりました。

当時の金縛りは、仰向けに寝ている自分のお腹の上に、姿の見えない何者かが、馬のりになって私の両手首をガシっと掴んでいる。というような感触の金縛りが多く、その恐怖から金縛りを解こうと必死にもがくも、中々解けず、それでももがいていると、やっとの思いで開放される。

といった感じのものでした。

そんなある日、私より頻繁に金縛りにかかるという友人に、金縛りの解き方なる方法を伝授いただきました。

その方法は、アントニオ猪木ばりに、

  1.2.3!

   ダァァァァァ!!

と、3の瞬間に全身全霊のパワーを、その一瞬にかける方法です。

その後は金縛りにかかる度に、その方法を試し、最初は中々上手く解けなかったのですが、何度も試すうちに簡単に解けるようになり、金縛りという現象にそれほど恐れなくなりました。

それから、数年が経ち18才になった頃に、先に話した解き方を伝授してくれた友人から、とある体験談を聞きました。

その話はこんな内容でした。

ある日、金縛りをずっと放置していたらどうなるのか試してみたらしいのです。

すると、自分の魂?が、ふわっと身体から上空に上がって行き、自分の寝ているところが見えたらしいです。

その後は、上空を飛び回る事ができたらしく、とても楽しかったと言うのです。

幽体離脱が出来たのでしょうか・・・

前置きが長くなりましたが、ここから本編です。

そんな友人の話を羨ましく思っていたある日の事。

当時(18才)会社の寮に一人で住んでおり、仕事から帰った私は、疲れからか帰ってすぐ、着替えもせず畳の上でそのまま寝むりに落ちそうになリました。

その時きました、金縛りです。

その時の金縛りは、例のお腹に何者かが座っているかのような感覚で少し怖かったのですが、睡魔もあり、友人の話を早速実践してみようと、完全に身体の力を抜き無気力状態で、恐怖心と好奇心を抱きながらおとなしく横になっていました。

すると、お腹が更に重くなったように感じ、自分の手が勝手に動き出しました。

好奇心旺盛な年頃だった私は、どうなることやらと、更にそのまま無気力状態で放置してところ、自分の意思とは関係なく、自分の両手が勝手に自分の首を締めだし、自分の口まで勝手に喋り始めたのです。

  「殺してやる」と・・・

気がつけば、自分で自分の首を締め、首を締められ苦しい状態で自分で殺してやる、と、かすれ気味の声を発してるのです。

その瞬間にあまりの恐怖に、恐らく自分の本能で全身全霊で振りほどいたら、すぐ金縛りは解けたのですが、解けても首を締められた(自分で締めたのですが)感は強く残っており、二度と金縛りは放置しないと誓いました。

今思うと、恐らく私は、身体を一瞬乗っ取られたんだと感じています。

きっと友人に憑いてる霊と私に憑いてる霊の違いで全く違う現象が起きるのだと思っています。

他にも奇妙な体験はチラホラしてますが、一番怖かった体験を書かせていただきました。

以上です。長々お読み下さりありがとうございました。

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