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この写真、2008年の11月23日に撮られた物です。記念写真のスナップだったんですが、この写真、実は心霊写真です。
どういう写真かというと、まずコートの右側一面に血が付いていることと、左肩に顔が写り混んでいるところ、さらに、鉄橋の下に、二体ほど写りこんでいます。
何故こうも酷い写真が撮れたのかというと、話はこの写真を撮る8ヶ月でした。
その日は名栗湖のほとりにある温泉まで行こうとしてました。その前に、今はお付き合いをやめてしまった自転車屋さんに立ち寄ると、サイクリング車で来てた暇なおじさんが居たのです。
丁度体もあまりいい調子ではなかったので、一緒に行きたいといったので付いてきて貰うことにしたのです。
青梅、小沢峠と経て、有名な吹上トンネルの前まで来ました。
それで、新道と旧道に別れるのですが、旧道の方が景色も良かったので、旧道を選択しました。旧吹上トンネルに入る前に、
「このトンネルって、幽霊が出ることで有名なトンネルなんだって」
「えー!!面白い」
カメラを取り出すおじさん。
「こんなところで写真撮ると良くないよ」
「でも良いじゃない、面白いじゃない、心霊写真撮れたら」
「だからやめときなよ、良いことなんてなんにもないんだから」
「そんなことより、どんな幽霊が撮れるか楽しみなんだから」
「だから、やめろって言ってるの」
そんなやりとりをして、悪い物を持ち帰りたくなかったから、自分はトンネルの外でおじさんを促しました。しかし、全くその人は聞き入れてくれません。ある意味、一番悪いケースだと直感しましたが、兎に角、この日は安全に帰ることだけを願って、名栗湖に行く前に、近くのお寺からとても美味しい水が湧いていたので、それで厄落としを願いました。
そして、半年以上たったある日、勤労感謝の日の、サイクリングの話が持ち上がりました。
それまで全く何もなかったので、自分も安心して参加することに。
コースは多摩川をさかのぼり、八王子を抜けて和田峠に行くルートです。
多摩川の是政橋で記念撮影し、先を行きました。陣馬街道とう言う道を、林道方向に入り、峠を行きます。そして、峠を越えて下りで、事故は起こりました。
腕にはかなり自信があったので、一気に峠を下りだした次の瞬間、体が本の一瞬だけ硬直して、左側にコースアウトして、投げ出されたのだけど、投げ出された次の瞬間、首や背中に覆い被される重みを感じて、顔の左側を強打して、頬骨骨折の大怪我をして、危うく死にかけました。
おじさんのお望みどおり、見事な心霊写真が撮れましたとさ。
つづく
作者開野 亘
本当に危ない話なので、壁紙をお祓いにして置きました。